3連勝とノリに乗るタナックがDAY1を制圧!
霧、雨、泥と悪コンデションで有名なGB(グレートブリテン)は今年で74回目の開催と歴史の長い伝統の一戦です。前戦のトルコで3連勝を達成したオット・タナック(トヨタ)がランキング2位に浮上し、トップ3の点差がさらに縮まりました。そんなタナックに木曜日にアクシデントが。
木曜日のシェイクダウンでタナックは木に激突してしまいます。しかしマシンには問題なく、SS2からトップに躍り出ます。
一方ランキング首位のテイリー・ヌービル(ヒュンダイ)、ランキング3位のセバスチャン・オジエ(Mスポーツ)は序盤から苦戦を強いられます。
SS3でヌービルはミスを重ね、オジエはギアボックスのトラブルで1、2速が使えない厳しい状況に。オジエは結局タナックから16.5秒遅れとなってしまいました。
好調なのはタナックだけではありません。トヨタのヤリ・マティ・ラトバラ(トヨタ)もSS4で2位タイムを、SS6ではトップタイムを記録し総合3位に浮上します。
ギアボックストラブルのオジエでしたが、Mスポーツメカニックの素晴らしい作業でわずか30分のサービスでマシンを修復することに成功します。しかしチームメイトのエルフィン・エバンス(Mスポーツ)にもトラブル発生。午後の1本目のSS前のロードセクションでトラブルが発生しデイリタイアとなりました。総合2位につけ、去年GBでWRC初優勝を挙げたエバンスでしたが、今年のGBは悔しい結果となりました。
エバンスのリタイアによりトヨタが1-2体制に。勢いに乗るタナックはSS7、SS8でもトップタイムを記録しつけいる隙を与えません。
トラブルに苦しんだオジエでしたが、マシンが直り追い上げを開始。総合8位から5位まで順位をあげます。とはいえトップのタナックとは大きなタイム差をつけられてしまいました。
昼のサービスのないDAY2はまさかの結末が待っていました!
DAY2はなんとサービスがありません。速さだけではなく、マシンを確実にゴールに運ばなければいけない緊張感のある1日となりました。
ランキングトップのヌービルはここでも苦戦。SS11で沼地にスタックし、54秒のタイムロス。総合で8位まで後退してしまいました。
これまで完璧な走りをみせ、このまま4連勝を達成すると思われていたタナックでしたが、SS16のジャンピングスポットで着地の際にラジエターを破損してしまいます。2位以下に40秒という大差を築いていたタナックでしたが、ここでまさかのデイリタイアとなってしまいました!
これでトップにたったのはなんとオジエ!序盤でかなり出遅れたオジエでしたが、このような荒れたラリーでしっかり上がってくるところはさすが世界チャンピオン!ヌービルが苦戦する中、オジエがチャンピオンに抜けて執念を見せます。
「オジエVSラトバラ」元チームメイト対決を制してオジエがランキング2位に再浮上!
最終DAY3はこれまで苦戦を強いられていたヌービルが奮起。SS22で8位から5位まで浮上し、パワーステージでも4位に入り2ポイントを獲得しました。
独走しながらもポイント圏外に落ちてしまったタナックはパワーステージで2位に入り4ポイントを獲得。貴重なポイントを勝ち取りましたが、タナックにとって辛い週末になってしまいました。
優勝争いはオジエとラトバラの一騎打ちに。ラトバラはSS20、SS21、パワーステージでもトップタイムを記録しますが、オジエがSS22で逆転!最終SS23でもキープし見事優勝を果たしました。
DAY1のトラブルで優勝は厳しいと思われていたオジエでしたが、タナックのトラブルがあったものの見事な追い上げをみせ、ラトバラとの一騎打ちを制しました。
ラトバラは去年のスウェーデン以来の優勝とはなりませんでしたが、見事2位を獲得し、トヨタのマニファクチャラーチャンピオンシップに大きく貢献しました。
3位にはエサペッカ・ラッピ(トヨタ)が入り、マニファクチャラーも首位をキープ。しかしドライバーズチャンピオンシップでは痛い結果となりました。