高速市街地サーキット「ヴィラ・レアル」
WTCRの前身にあたるWTCCから行われているポルトガルGP。ヴィラ・レアルは1周4.785kmの市街地サーキットで1953年からと歴史の古いサーキットですが、WTCCからカレンダーに復活。市街地で道幅も狭いですが時速200kmを超えるというスリリングなサーキットで、街中にも関わらずハイスピードなレースが行われます。
なかなか日本では出来ないようなイベントですが、国、市をあげてのイベントでもの凄い盛り上がりです!開催ができるのは近隣住民の方々の理解があり、ここでのレースの歴史があり、国が支援しているからこそ。モータースポーツ先進国ではありませんが、素晴らしいイベントを生み出したと言えるでしょう。
喧嘩レースでも作戦は必要?
この大会ではWorldRX(世界ラリークロス選手権)で採用されている遠回りセクションの「ジョーカーラップ」が採用されています。各ドライバーはレース中1度はジョーカーラップの通行義務が課されており、通過するタイミングが勝敗を左右するポイントとなります。
レース1はほぼ全車クラッシュという衝撃のスタートに
レース1のポールポジションはWTCCのチャンピオン経験者で、ストリートサーキットでは圧倒的な強さを誇るロブ・ハフ、2番手はメディ・ベナーニのセバスチャン・ローブ・レーシングの2人がフロントローを獲得しました。
注目のスタートはハフとベナーニが並走しながら1コーナーへ!しかし続く2コーナーで接触しガードレールに激突!!2台はコースを塞いでしまい後続のマシンが巻き込まれる大クラッシュに。
セバスチャン・ローブ・レーシングの2台をはじめ全損してしまったマシンは修復出来ず、残りの2レースを欠場。計7台がリタイアを余儀なくされました。
レースは2時間以上赤旗中断となり現地時間18時15分に再開、イヴァン・ミューラー(YMR)、エステバン・グエリエリ(ALL-INKL.COM Münnich Motorsport)、ガブリエル・タルキーニ(BRC Racing Team)の順でレースが進んでいきます。レースはミューラー、グエリエリの順でチャッカーを迎えましたがファイナルラップに一波乱!3位走行中のタルキーニがパンクでスローダウン、4位につけていたジャン・カール・ベルネ(Audi Sport Leopard Lukoil Team)が3位に浮上し表彰台を獲得!タルキーニはなんとか4位を確保しました。
レース1最終結果
レース2は大ベテランを退いた若手がWTCR初優勝!
レース2のポールポジションはBTCCで3度チャンピオンに輝いたゴードン・シェデン(Audi Sport Leopard Lukoil Team)と4度のWTCCチャンピオンのイヴァン・ミューラーという名手がフロントローに並びました。
レースはシェデン、ミューラー、ホモラの順でスタート!オープニングラップでシェデンとミューラーが激しいトップ争いを演じます。その隙をついてホモラがミューラーをパス!勢いそのままにシェデンに追いついたホモラはシケインの飛び込みでシェデンをパス!接触を避けるためショートカットしたシェデンには5秒加算のペナルティが課されます。
8周目にホモラがジョーカーラップを消化し2位へ。首位のミューラーは10周目にジョーカーラップに向かいますが、わずかにホモラが前!残り1周ホモラがミューラーを抑えきりWTCR初優勝!!大ベテランを従えての見事なレースをみせました。
レース2最終結果
レース3はWTCCチャンピオンが圧巻のレースをみせる!
レース3のポールポジションはテッド・ビョーク(YMR)、2位にノルベルト・ミケリス、3位にガブリエル・タルキーニというBRC Racing Teamの2台が続きます。
レースがスタートするとビョークが一気にスパート!スタートでミケリスをパスしたタルキーニに差をつけます。3周目にはタルキーニに4.5秒の差をつけジョーカーラップへ!トップで復帰し有利な展開に持っていきます。
5周目にノルベルト・ナギー(Zengő Motorsport)がコース上でストップしセーフティーカーが出動。すでにジョーカーラップを終えているビョークが盤石の体制になるも、2番手以降はセーフティーカーでリードがなくなったためジョーカーラップに入るタイミングが難しくなります。
その後2回もセーフティーカーが入り、結局ジョーカーラップに入っていないメンバーはファイナルラップで一斉にジョーカーラップへ。順位そのままでジョークが優勝、タルキーニが2位、ミケリスが3位を獲得しました。
レース3最終結果
前回の(キツすぎる?)性能調整で苦戦したヒュンダイでしたが、今回は本来の強さを発揮しました。その中でプジョーを駆るホモラが初優勝、プジョーも2勝目を獲得と一矢報いました。今年苦戦しているアルファ・ロメオの上位争いにも期待したいところです!
次戦は2018年7月14日と15日のスロバキア。J SPORTで視聴できます!ツーリングカー名手による喧嘩バトルは必見。チャンピオン争いも面白くなってきました!今年は鈴鹿サーキットで日本GPが行われますのでこちらも注目!!