こんなのハジメテでドキドキ。広い心で読んでくださると幸いです。
ある晴れた日の日曜日、ここは大人の街“表参道”。
隣にいるのはハイヒールを美しく履きこなす、最高にカッコイイ女。
12時半頃に軽めのランチをすませ、まずは表参道ヒルズにてショッピングを楽しむ。
クールな彼女の買い物中の無邪気な様子、そのギャップがたまらなくいい。
ショッピングデートでありがちな展開。
ヒルズ内を上からぐるりと時間をかけて楽しんでたところ、それまで前を軽やかに歩いていた彼女が、急に立ち止まりくるっとこちらを向いた。
「夢中で見てたら疲れちゃった。カフェでも入らない?」
夢中で気がつかなかったが気がつけば時計の針は14時を刺そうとしている。
(どこか入るか…レストランはいくつか知っているが、近場でゆっくりできるようなカフェは詳しくないな)
見渡すとふと目に飛び込んできたのはラグジュアリーな雰囲気の服飾雑貨…いや、店内をよく見るとケーキ屋だ。
「あら?ここケーキ屋さんなのね。アパレル雑貨屋さんかと思った。こんな素敵なお店知ってたなんてさすがね!ここでお茶しましょう」
同じことを思っていたが、思いがけず褒められ気分が良くなったので、何も言わないでおくことにした。
『HUGO&VICTOR(ユーゴ&ヴィクトール)』
ショーケースの中のスイーツやショコラはまるで宝石のようで、それらを眺める彼女の目も一段と輝く。
デキるオトコの心配りとは
カウンターとテーブルがあったが、歩きつかれた彼女への配慮でテーブル席を提案。
「ありがとう。気がきくね。」
紳士を装いながらも心の中では歓喜しつつ、席に着く。
メニューを見ると、ワインの文字が。1杯ほど…という気分だが残念、車で来てしまったので次の機会にするとしよう。
ひとまずコーヒー。彼女は冷たいショコラドリンクを注文。
オレンジ色のものは削ったオレンジ果皮だそうだ。
どうりでふわっと柑橘が薫る。
「チョコと牛乳でまろやかなんだけどほのかにオレンジの香りがして爽やか。美味しい!なんかケーキも気になってきちゃった。」
実は自分も隠れ甘党で、そこも彼女とは気が合う。
女性といると気兼ねなく注文できるので、“シメにデザート”は実は自分の中でデートの定番でもある。
彼女が選んだガトーサクラは桜ピューレに桜コンポート、白いんげんムースなどを合わせた季節限定商品。
オープン記念、そして表参道ヒルズ店だけの商品でもあるらしい。
女性はこういった複雑な組み合わせや、『限定』という響きに弱いものだ。
自身が選んだのはショートケークフレーズ。
普通のショートケーキとはひと味もふた味も違う、ユーゴ風ショートケーキだそうだ。
生地はリッチなフィナンシェ、中にはバニラビーンズの薫り高い生クリームと蜜柑のムースが忍ばせてある。
男は…というより自身は、こういった既存のものではありながら、そのオリジナリティや佇まいで他とは一線を画す『ブランド』に弱い。
店内のラグジュアリーな雰囲気と、ハイブランドなスイーツ、そしてなにより彼女の美貌にすっかり酔いしれ、贅沢なひと時を過ごした。
「素敵なお店だったわね。また貴方と来たいな。」
偶然とはいえ、この店を選んで良かった。有難うユーゴ&ヴィクトール。
「さて、次はどんな素敵なところに連れて行ってくれるのかしら?」
…あまりの良さにハードルも少々上がってしまったようだ。
店舗詳細
HUGO&VICTOR(ユーゴ&ヴィクトール) 表参道ヒルズ店
オープン日:2016年4月22日
営業時間:月〜土/11:00-21:00(20:30 LO.) 日/11:00-20:00(19:30 LO.)
座席数:16席