1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)
前回の名車の記憶ホンダスポーツクロニクルではホンダ 「ZC型」 エンジンご紹介しました。1.6リットルDOHCエンジン燃焼室をコンパクト化して効率を上げるというコンセプトで、ボアをリッターカーエンジンに近い75mmとする一方、ストロークは実に90mmに達するというロングストロークエンジン。今回迎え撃つは老舗 「4A-Gエンジン」 とガチンコ対決という面白い特集です!!4A-Gは、トヨタ自動車が製造していた1600cc直列4気筒エンジンです。4A-Gの一番の魅力は、素晴らしく軽やかな吹け上がり!レッドゾーンに近くまで回しても、まだまだ何処までも回る様なフィーリングは、とても80年代のエンジンとは思えないものでした。 ホンダの新時代を切り開いたZC型と伝説と歴史ある4A-G勝負の行方はどうなるのでしょうか!?( ̄ー ̄)
ガチンコ勝負!「シビックSi」VS「カローラFX1600GT」
シビック(ZC型)とカローラFX(4A-GEUL型)という当時、どちらも2BOXのライトウェイトスポーツ対決!
発進加速性能についてはほとんど互角と判断していいだろう。最高速はどうか。今回のテスト車はいずれも速度リミッターが取り外されていた。ここではSiが大幅なリードを奪ってみせた。ベストデータは実に193.1km/h。1.6ℓクラスでオーバー190km/hというのは驚異的というほかはない。これは2年ほど前のRX-7やスカイラインRS(ともにノンターボ)に匹敵するデータなのだから。一方のFXは181.89km/hをマークするにとどまった。FXは空気抵抗系数Cd=0.34が示すように、空力的にはむしろSi(Cd=0.35)よりすぐれている。最高速の決め手になるのは大ざっぱにいってパワーとエアロダイナミックスの2つ。空力面では特に前面投影面積が重要となるが、この点については車両ほぼ互角とみていい。となると残るはエンジン性能。よく回るけれどトルク感の少ない4A-GEUとほぼ全域に渡ってパンチのあるZC。高速走行では5psの性能差以上にエンジンの性格が影響した、という印象だった。(原点のまま)
超ガチンコ対決!「バラードスポーツCR-X」VS「MR2」
馬力ではCR-X(ZC型)、軽さではMR2(4A-GELU型)…。ではライトウェイトスポーツにふさわしいのは?
“最高速ゼロヨン共に性能ダントツ”
次に谷田部での動力性能テストの結果だが、ここではCR-XSiが期待どおりのハイパフォーマンスぶりを発揮した。従来、1.5ℓSOHCモデルでもトヨタの4A-Gに迫る動力性能を得ていたわけだが、さらに加わった25psによって一気に形勢を逆転した。最高速度は197km/h、0→400m加速は15.20秒。驚異的なのは0→1000m加速タイムが、29.43秒と大きく切ってしまったこと。これは1.5iと比べてそれぞれ最高速で15km/h、0→400m加速で1秒。0→1000m加速で2.5秒ほど速くなっている。パワーが強大なことは0→1000mを見れば明らかだが、1.6ℓクラスで30秒を切るのは容易なことではないはずだ。
“サーキットランでの意外な性格 寛容なCR-X、シビアなMR2”
菅生サーキットでの挙動だが、この舞台で最も速かったのはやはりCR-Xだった。菅生は高低差が厳しいだけにパワーの優劣が大きく影響する。とくに後半、最終コーナーからホームストレッチはかなりキツイ上り勾配であり、ここでスピードを取り戻すにはパワフルであることが条件だ。また150Rの高速ライトターンとそれに続くS字もできるだけスピードを殺さないようにクリアすることが、ラップ向上のキメ手となる。この高速コーナーでの安定性は(心理的な面も含めて)CR-Xの方がはるかに高い。(原文のまま)