1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)
最高峰の血統を受け継ぐZC型‘84スペック
なんといっても 刺激的なサウンドと軽やかな吹け上がりチューニングの選択肢の広さも魅力 、かつての若者たちに絶大な人気を誇っていたスポーツエンジンです!!ライトウェイトスポーツの新時代を切り開いたホンダのDOHCスポーツエンジンZCがこちらです。
エンジンの燃焼技術、制御技術、軽量化技術などに関する研究・開発の場として、F1グランプリは間違いなく過酷な最前線である。そこで磨かれるテクノロジーは、圧倒的に高度で進んだものだ。ZCはそんな「F1テクノロジーから生まれた高性能・高感度」を前面にアピールして、1984年10月“第4世代シビック”とFFライトウェイトスポーツ“バラードスポーツCR-X”に追加設定されるかたちで、デビューを果たした。このエンジンの最大の特徴は、DOHCという嵩張るメカニズムを採用しながらも、当時としては非常にコンパクトかつ軽量にまとめられていることになる。
そのための技術的なブレイクスルーのひとつが、市販車としては初めての“4バルブ内側支点・スイングアーム”方式。カムシャフトの動きをバルブ伝達する間にスイングアームを設定、カムをバルブよりも内側に配置することでヘッドのコンパクト化に成功した。さらに燃焼効率に優れたセンタープラグやコンパクトなペントルーフ形燃焼室を採用。4連アルミシリンダーブロックによる、エンジン本体の小型化、ピストンやコンロッド、さらに世界初の異形中空カムシャフトといった細部にわたる軽量化も徹底された。まさにホンダがF1で培った、エンジンの小型軽量化技術が、これでもか!と言わんばかりに詰め込まれていたわけだ。(原文のまま)
ZCエンジンは当時の量産1.6リットルとしては世界最高レベルの出力とレッドライン付近でも滑らかな回転感を持ち合わせ、世界に “エンジンのホンダ” を印象づけてくれました!