わかりやすさが身上のセクシースポーツ
世界で最もセクシーな車、と言えばフェラーリだろう。もっとハイパフォーマンスな車はほかにもあるし、もっとゴージャスな車ももちろん多くあるが、セクシーという冠を一つのブランドに与えるとしたら、それに値するのは、やはりフェラーリのほかにあるまい。
フェラーリのいいところは、なにしろわかりやすい、ということだ。車にあまり詳しくない女性であっても、高価で速い車であると一目見て理解するだろう。そして跳ね馬を施したエンブレムに気づけば、それがフェラーリだとわかるだろう。
これはランボルギーニにもポルシェにも通じるところだが、ランボルギーニは異様なまでのスタイリングは暴力的な迫力を醸し出し、女性からすれば好き嫌いが分かれる(マッチョを好きかどうかの質問に近い)。ポルシェは真面目なアスリートであり、速さと実用性を両立した車だが、優れた技術に支えられた高性能を直感できるのは車をよく知るものだけだろうと思うのだ。
まるで胸をはだけたセクシーガイ
その点、フェラーリは、誰が見ても、誰が乗っても、その価値を受け入れやすい。つまりわかりやすいのである。ほどよくイケメンで背も高く、均整のとれた体型で、立ち振る舞いも洗練されているが慇懃なほどでもなく、軽口を叩ける気安さもある。要はラテン系プレイボーイの良いとこどりなのだ。
フランクフル・モーターショーでデビューしたフェラーリ488スパイダーは、2015年3月に発表された「488GTB」をベースとするオープンスポーツだ。3.9リッターV型8気筒ツインターボという強力なエンジンを運転席の真後ろに置く、いわゆるミッドシップのレイアウト。最高出力670ps/8000rpm、最大トルク77.5kgmを絞り出す。
わずか3秒で100km/hまで加速し、200km/hに達するまで9秒かからないという。まさしく最強のプレイボーイマシンだ。しかも、スパイダーの名の通り、こいつは屋根が開いてしまいやがるのだ・・・そう、どっからどうみてもイケメンが、シャツの胸をはだけて均整のとれた大胸筋をチラ見させるようなズルいクルマなのである。
このスパイダーの日本市場向け価格はまだわからないようだが、ベースのGTBが税込30,700,000円というから、それよりもう少し高いのだろう。私にはどう頑張っても手が届かない金額だが、冒頭で書いたように、3000万円出せる人にとっては、フェラーリはその価値がある車だ。
他に3000万円出して何か買う余力があるならば、この車を買ってもきっと後悔はしない。そういう車なのだ、フェラーリは。
ベース車となったフェラーリ488GTBについては、こちらの記事をどうぞ。