最後の愛車となるだろうKAWASAKI 750RS、つまりZII(ゼッツー)。
もはや他のバイクには縁がない、と思うと、他のバイクも気になりだすものだ。ふと、昔のバイク遍歴を思い返すうちに、意外と写真が残っているものが少なく、また記憶の奥で風化しているバイクも多いことに気がついた。そこで古いアルバム(ほぼデジタル以前のものが多い)を引っ張り出して、まとめてみようと思いついた。

毎日乗る足として選んだのはハンドシフトのオールドスクーター

スカイウェイブを処分した僕は、次のパートナーとして、ベスパPX200FL2を選んだ。
セルモーター付きだが、バッテリーが弱くてほぼ使えない。だからキックでエンジンを始動するのだが、それがまた楽しく、左手でクラッチを握りながらギアを変えるハンドシフトや、右足で操作する後輪ブレーキなど、昔ながらの操作感にはまった。

PXを選んだのは少年時代に大好きだった松田優作の傑作のひとつ、『探偵物語』の主人公工藤ちゃんこと、工藤俊作探偵の愛車であったからだ。工藤ちゃんのベスパはPX150だったが、僕は200ccを選んだ。毎日の通勤に使うのに150ccでは力不足な気がしたからだ。今のスクーターなら90ccでも十分だろうが、何十年も前の設計のまま生き残っていたPXでは、小排気量ではやはり心もとなかったのだ。

画像: シートをあえて工藤ちゃんモデルの、旧式なタイプに変えた。レザーのテイラージャケットに革パンw

シートをあえて工藤ちゃんモデルの、旧式なタイプに変えた。レザーのテイラージャケットに革パンw

画像: 毎日乗る足として選んだのはハンドシフトのオールドスクーター

とにかく毎日乗っていた・・雨の日も。

画像: とにかく毎日乗っていた・・雨の日も。

この当時僕は日立製作所にお世話になっていて、勤務地が浜松町や(プロジェクトのためサテライトオフィスを設けていた)神谷町だったので、毎日の通勤にはこのベスパを使っていたのだが、このPX200FL2、実によく壊れた。しょっちゅう調子悪くなるし、走っている最中にギアが噛んで、強烈なエンストがかかって交差点の真ん中でふっとびそうになったこともある。

それでもけたたましいエンジン音と、他にはない独特の操作感が楽しくて、この少々気難しい相棒と僕は付き合い続けた。

状況が変わったのは、2004年のことだった。

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