画像: 一生モノと言える、そういうモノをあなたは持っていますか?

この写真には僕の宝物が二つ写っている。一つはもちろん、ZIIだ。
もう一つはバイクの用のグローブ。このグローブは、15年間僕の両手を守ってくれている。

流行や、テクノロジーの進化の過程での淘汰で、使えなくなっていくモノは多い。スマートフォンやパソコンは、3年保てばいいほうだろう。服や靴などは、ファッション・モードという”流行(トレンド)”そのものの洗礼を受けているから、品質や機能的にはまだまだ使えるものであっても、2-3年でタンスの肥やしになる。
時計のように、電子化に抗ってきたプロダクトも、スマートウォッチの台頭の前に、いつまで耐えきれるか分からない・・。その意味で、グローブ、特に革製品である場合は、10年後も現役でいてくれるかもしれないという期待を抱くことができる。アナログであるからこそ、耐用年数の長さがイコール 使用年数になる。たとえ壊れないとしても、時代の流れについていけずに現役を強制的に退くプロダクトが多いなかで、変化を拒み、一線で戦い続けようとする。そんな製品を僕たちはマスターピースと呼ぶ。

マスターピースと呼んでいい製品は、21世紀になって激減していると僕は思う。僕が若い頃には永久不滅のように思えたデニムでさえ、型遅れを履くのは気恥ずかしいし、最近のデザインデニムの耐久性は2-3年で擦り切れるような程度になっている。逆に言えばどうせ100年保つような耐久性を与えたところで、流行の型に外れれば見向きされなくなるのだから、見かけの良さを作るために耐久性はほどほどでいいと考えることは、至極当然だろう。

ZIIは、時代に逆らう恐竜の一つと言えると思う。幸いにしてガソリンエンジンはしばらく生き延びそうだが、1000ccで300馬力を叩き出す時代に、ZIIは非力で遅くて止まらないし曲がらない。しかし、実用域である120km/hくらいまでは最新のバイクにも十分ついていけるし、車の流れをリードする力を持っている。スタイリングも現代のバイクの中に入っても古びた感じはしない。

僕は自分のことをオールドファッションな人間とは思わない。考え方も知識も、インターネットを始めとするテクノロジーにも明るいから、およそ十代や二十代の若者に引けを取ることは少ないと思っている。
しかし、それはもしかしたらZII同様に、単に時代の流れに抗って、現役を退くことを拒否しているだけなのかもしれない。それでも、自分こそは一生モノ、時代を超えて生存できるマスターピースなのだと信じたい自分を否定できない。

ZIIと生きていく。それは図らずも、自分自身を肯定して生きていくことに他ならない、そう思うのだ。

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