自前のプライベート・ショートトラックを作るための地面を手に入れてだいたい半年、暑さも和らいできたここ数週間は、重機を駆ったり草を刈ったりと場所の整備に熱中しています。とりあえず数台で遊べる広さ、もとい狭さなのは間違いないんですが・・・どうせなら両手くらいの台数で肩をぶつけ合いながらターンになだれ込みたい!というわけで、所詮オーバルなんですけど走路のレイアウトをどうしようかじっくり考える秋の夜長、なんです。

ぐるり美しい純粋なオーバルシェイプは挑戦的なライン選択が難しい?かも

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。2つの直線と2つのターン、それぞれほぼ等距離の4つのセクションで構成されるのが基本のオーバルトラックですが、練度の高いライダーたちはそのまま単純な半円と直線で描いたラインを走るわけではありません。

2輪オーバル走行の基本的なライン取り・オーバーテイクのベーシックテクニックについてはこちらの過去記事をご覧いただくことにして・・・本日のコラム冒頭の写真は2015年秋、ラスベガスのオーリンズ・アリーナという屋内イベント会場で開催された、全米プロダートトラック選手権最終戦、そしてその翌日に組まれた "スーパープレスティジオ・オブ・ジ・アメリカス" なるイベントレースを俯瞰した様子です。

2日間の大会のために構築されたこの仮設ショートトラックの大きな特徴は、インフィールドがオーバル形状でなく、各ターンの頂点とストレート中央部を結んだ、4つ角の丸まった菱形の中州を採用していること。ターン内側のRを削ぐことで、オーバースピードでの進入突っ込みや、その結果生じるバラエティに富んだ立ち上がりのライン選択が可能となり、抜きつ抜かれつの少ない一列縦隊での "カルガモ走行" 的な単調なレース展開から脱却することが期待されます。

Superprestigio of the Americas - Main Events

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GPスターのマルク・マルケスらも参加して一世風靡した、スペイン・バルセロナのイベントレースを日和って真似て (この競技の母国たるプライドは何処へ?) 4ターン奥から横一文字のスターティングマシンで出走するレース形式はいかがなものかと思いますけど、"尖ったターン" はレース展開の面白さを引き出す工夫としては概ね成功しているような気がしています。

何度でも言いますが、筆者はベリーショートオーバルが大好物、なのです。

こちらはコンクリート路面ですがさらに小さい "菱形中州" のトラックでのプロクラスのレース。

Indoor Flat Track, San Jose, Ca. 3-31-2012

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この極小サイズのトラックでモーメンタムを100%コントロールして競い合うためには、小排気量マシンよりはるかに強大なパワーとトルクを発揮する、例えば450ccマシンなどを選んで駆ることに必然が生まれますし、さりとて際限なく速度が出るわけではないので制御する面白さも申し分なく味わうことができるでしょう。中州 = インフィールドを小さくしたいのは、ただでさえ小さなスペースが少しでも無駄になるともったいないから?というのもあるかもしれません。地主的には。

早いとこ小石なく真っ平らに整地を済ませてカチカチに踏み固め、タイヤラバーを擦り付けて真っ黒テカテカの路面を作り上げて、皆さんにお披露目したいものです。もうしばらくがんばりまーす。

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!