DTX = "シャコタンモトクロッサー"という変態仕様と相性抜群かも?
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。つい先日、ヨーロッパで盛んなオーバル系スピード種目・スピードウェイ競技のデンマーク国内ユースカテゴリーに電動マシンの参加が認められることになる!という "グルグル業界的ビッグNEWS" がロレンスに掲載されましたが、皆さまご覧いただきましたか?
走行動画を見る限り、スピードウェイの特徴的なオーバル走法 (我々のやってるダートトラック = フラットトラック競技とは実はかなり違います) のセオリーに乗っ取って、なんら問題なくむしろ極めてスムーズに周回する様子を観て、"おお!なかなかいいじゃーん" なんて思ってたんですが・・・
こちらのプロジェクトに取り組むデンマークの "E-レーシング" 社、実はレーシングカートや各メイカー既製品のモトクロスマシンなどに、自社製の高性能電動パワープラントを組み込んだ "コンペティション向けコンバートEV" の製作も積極的に模索しているようで、適切な重量配分での車体レイアウトを可能にする軽量コンパクトな駆動ユニットを開発しています。
いずれ近い将来、世界中のモーターサイクルメイカーがICE→電動へと大きく舵を切ることにはなっていくのでしょうが、コンペティションに特化した高性能なローリングシャシー (車台) を新たに開発できるブランドはその一部に限られるでしょうし、我らがダートトラックカテゴリーの既存車 ( = ここでは特にモトクロッサー改のDTXマシン) などのように、メイカー出荷状態から車体各所に手を入れ、別な種目向けにほぼ丸っきり仕立て直すような成り立ちの車両を製作する上では、パワープラントのみをスワップする、コンバートEVという手法はかなり親和性の高いものだと言えそうです。
かたや小排気量(的)なビギナー / エントリーユーザー向け車両は・・・?
上級者も満足するフル・コンペ仕様のハイパフォーマンスマシンは、(おそらくけっこう高額な) 新車の電動レーサーを手に入れずともコンバートEVという形でなら手に入れられる可能性も見えてきました。では、成長過程の子供達・あるいはビギナー向けの "そこまで手強くない" 車両に関してはどうでしょう?
真っ先に思いつくのは、コピー品や亜流も含め、世界の小排気量ICEユニットのうちかなりのシェアを占めるであろう所謂 "H社横型エンジン" に置換可能な電動ユニットですが・・・スポーツするための軽快な運動性能をスポイルすることなく、小さく軽いとは言えないバッテリーをレイアウトしなければならなくなるという点で、既存車種シャシーの流用にあまり固執すると、安価で簡便に製作するという前提が成立しなくなるおそれが出てくるでしょう。
軽いオフロード走行をイメージしたトレール車的コンセプトの電動マシンはおそらく様々なメイカーから選べるようになるでしょうし (あまりに自転車的な線の細いやつは種目の特性に合わないかも?) 電動ユニットへのコンバートはあくまで目的ではなく手段ですから、今はまだそこまで拘る必要はないかもしれません。
もちろんまだまだガソリン車をぶっ放したいってのが本心ですけど・・・ね
長年嗜んできた愛着?郷愁?バオバオうるさい排気音を上げてコーナーへ飛び込んでいくのは一種の快楽ですらありますが、電動化時代の趨勢というだけでなく、ますます厳しくなる騒音への風当たりなど身の回りの環境問題から距離を取り続けていては、ただでさえ沈滞・縮小傾向のレース・スポーツシーンのごく僅かな存続延命こそあれ、存在感マシマシの地位向上にはきっと繋がらないでしょう。
日頃、次世代を担うであろう人たち (つまりお子様方やそのご友人たち) とか自分自身と同世代だったりする親たちとかと接する機会がままあるのですが、今から新たにICE車人口を増やしていくってむちゃくちゃにハードル高いミッションなんですよね多分。モータースポーツとかホイールカルチャーへの興味は決して少なくないように感じるので、先を見据えた取り組み方次第な気もしますけど?
勢い任せに内金入れてしまった80馬力のアイツ、もいよいよ生産ラインが動き出したようですし?僕んちのファイナンシャルプランもちゃんと練ろうっと・・・。
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!