今年からスタートする、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)の電動オフロード車による競技「E-エクスプローラー ワールドカップ」ですが、9月に予定されている開幕に向けて参加チームの募集が3月31日から始まりました。

参加チームは男女ひと組の、最大12チームを予定!

これまでFIMは「E-エクスプローラー ワールドカップ」の開催を2022年の第3四半期(7月〜9月)と予告していましたが、3月31日のFIMからのアナウンスには「2022年9月にシリーズがスタートし、初年度には3つのレースが開催される」予定と記されていました。

また今年1月末の時点では年間5戦の計画が公表していたわけですが、上記のとおりこれも3戦に減らされることになりました。おそらくCOVID-19パンデミックがなかなか終息しないという現実もあって、開催予定が遅れて、なおかつ開催数も減るというのも、やむを得ないところなのでしょう。

一方、ジェンダーニュートラルの観点から男女ひと組で編成されたチーム戦で行われることは当初から告知されていたことですが、こちらは従前は全10チームと告知されていたものが最大12チームと、2つ枠が増えたことが明かされています。エントリーチーム数が増えることは、もちろん吉報に他ならないです。

男女のライダーがペアでチームを組み、リレー方式で電動オフロード車を駆ってタイムを競うのがE-エクスプローラーの特徴のひとつです。

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ライダーの参加資格は健康な男女で、16歳以上であること(50歳以上はFIMメディカルコード参照)。有効なFIM E-エクスプローラー・ワールドカップライセンスまたは、FIMイヤーブックまたはFIMインフォレターに規定されているFIMライセンスを所持していること。なおライダーとチームは、その年に開催される全大会に出場する旨を、誓約しないといけません(怪我などでライダーが欠場する場合は、チームは指名代理ライダーを起用することが可能です)。

ちなみに最大12チームの選出は、「シリーズの長期的な地役を、総合的に判断して決定」とのことです。FIMや、運営を任されているプロモーターのE-エクスプローラーSA的には、初年度のシーズンを盛り上げるためにもビッグネームの参加を期待しているのではないでしょうか?

決勝の競技方式は、敗者復活戦以外は勝ち抜き戦となります!

レギュレーションも見てみて非常に興味深いのは、E-エクスプローラーの設定コースが1周最大1kmと規定されている点です。1周1kmの小さなコースは国際格式のモータースポーツの場として使われることは一般論として稀ですが、排ガスや排気騒音を出さない電動オフロード車のメリットを活かし、都市部に近い場所での開催をFIMやプロモーターは想定しているのでしょう。1周1kmのコースという規模であれば、都市に近い距離にある広い土地に臨時でコースを作ることも比較的容易です。

E-エクスプローラーは電動オフロード車を使うわけですが、大会期間中は主催者の供給する電源の使用が義務付けられています(なお、ライダーが充電する電気は無償です)。会場内にガソリンスタンドを用意する代わりに、参加車を効率的に充電するために必要な設備・人員を用意することを主催者に求めるのも、E-エクスプローラーならではの特徴といえます。

FIM E-エクスプローラー ワールドカップのレギュレーションに掲載された、会場のサイトマップ。左側がコース、中央が管制室、そして半分から右側に、充電エリア、チームのピット、事務局、メディアセンター、放送センター、ホスピタリティー、関係者向け駐車場などが配置されています。

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競技はフリー走行後の、男女2名リレーのタイムアタック方式の予選(各チーム10分)で順位を決め、1位と12位、2位と11位、3位と10位、4位と9位、5位と8位、6位と7位という、決勝の1回戦(ラウンド1)の組み合わせが決められます。

決勝はノックアウト・トーナメント方式で、1回戦は予選で決まった組み合わせのヘッド・トゥ・ヘッド(直接対決)のヒート1〜6で競われます。ひとつのヒートは3レースが行われ、その内2つに勝利したチームが勝ち抜けとなります。

1kmの短いコースを、2名の内のひとりのライダーがまず1周。そしてスイッチゾーンでもうひとりのライダーに交代して1周してゴール・・・というのが基本フォーマットです。交代時間含めて1レースが3分以内で終了するので、大きなトラブルがない限りはサクサクと競技が進行することが予想されます。

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2回戦(ラウンド2)は1回戦のヒート1勝者とヒート6勝者、ヒート2勝者とヒート5勝者、そしてヒート3勝者とヒート4の勝者がそれぞれヘッド・トゥ・ヘッドで戦い、3組の勝者チームは準決勝へ進出。そして3組の敗者チームはLCQ(ラストチャンス予選)に回ることになります。LCQは予選同様タイムアタック方式で行われ、ベストタイムをマークしたチームが準決勝に敗者復活で挑むことになります(LCQ敗退2チームは、タイムで5位、6位が決められます)。

準決勝は2回戦ヒート1勝者とLCQ敗者復活チーム、そしてヒート2とヒート3の勝者がそれぞれ戦います。負けたチーム同士はスモールファイナル(3位決定戦)、勝ったチーム同士はファイナル(決勝戦)を競い、その大会の優勝チームが決定する・・・ということになります。

FIM E-エクスプローラー ワールドカップの競技フォーマット。直接対決を4回勝ち抜けば優勝・・・ということになりますが、その間は最少で8レース、最多で12レースをする必要がありますから、勝ち抜くためには速さのみならず、男女2名のライダーそれぞれの集中力と安定性が求められるでしょう。

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参加チームが公表されるのを、楽しみに待ちたいです

ひとつの大会で与えられるチャンピオンシップポイントは、1位25点、2位20点、3位16点、4位13点、5位11点、6位10点となります。7〜12位は1回戦のベストタイムで決まり、1点刻みで9〜4ポイントが与えられるため、ノーポイントに終わるチームはないというシステムです。なお気になる? 賞金は1位が9,328ユーロ≒127万3,000円で、最下位の12位にも1,493ユーロ≒20万3,800円が支払われます。

果たしてどのようなチームの顔ぶれが、初年度のシーズンを飾ることになるのか? FIMやE-エクスプローラーSAから発表される日を楽しみに待ちたいです!

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