2013年より筆者ハヤシが主宰するダートトラックレースシリーズFEVHOTSは、昨春にはじまったCOVID-19禍のなか、開催を完全休止してはや2年目となります。日頃から "いつごろレースを再開しますか?" などとふわっと聞かれることもしばしばあるもので、本日は昨今の市中の感染拡大状況や筆者の個人的な経験も交え、ぼんやりとしたこの先の展望?について考えてみたいと思います。

冗談抜きで全く救急車が来ません。来ても行き先はなかなか決まりません。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。半年ほど前、我が家の近所に住む筆者の父が夕食後に前触れ一切なく倒れ、そのまま当日息を引き取るという出来事がありました。本人も周囲も全く予測できなかった突然の心臓系疾患だったので、享年80余歳だしまぁまぁ大往生と言えると思うんですが、一報を受けた筆者が10分ちょっとで駆けつけて、CPR (心肺蘇生法) と人工呼吸を1人試み始めてから数十分、救急隊はやってきませんでした。

レース主催者として救急救命法の講習を毎年受けて身についていたこと、父の今際の時に間に合ってしっかりと見送ってやれたことはある意味ではとても幸運ですし、救急隊をはじめ医療従事者の方々のCOVID-19禍での献身的なご苦労にも心から敬意を表します。ただ思ったのは、東京都区内の住宅地でこの様子なら、我々がレース会場とするような場所・・・都市部からそう近くはない河川敷とか片田舎の山中とか・・・なら、おそらく彼らの到着を待つ時間はより短くはないだろうということ。

来たとて受け入れ先の病院がなかなか決まらないってことも十分ありえます。我が父は手の施しようもない最期でしたが、それでも救急隊到着まで30分・病院決まるまで小1時間・搬送されるのに30分・・・これがもしレースで一刻を争う大怪我だったとしたら・・・間に合わないのはNGだなぁ。

コッチからアッチ。アッチからコッチ。往来の困難が排除されなければ。

自粛生活が窮屈になって、都会から人の少ないエリアにちょっと羽を伸ばしにいったことが、予期せぬトラブルの元になって・・・なんて報道もしばしば耳にしますが、そこに住んでいる人たちが完全にウェルカムなことって今はなかなか少ないんじゃないかと思います。逆に5,000の大台に乗った東京にわざわざ遊びに行きたいカントリーサイドの人も多くはないでしょうけど。競技内容にももちろん身体的なリスクは常につきまとうわけですが、行き来に困難がある以上、各地から参加者を募って行う競争系イベントの運営は、筆者ハヤシの肌感覚だと "まだ今じゃない" って感じなんですよね。

職種によっては他県への越境を厳に避けなければならない人たちもいるそうです。だとしたら今開催しても全国誰でも参加可能な実体験型イベント・・・とは言えないはずです。人の心情も関わることなので、じゃあ世の中がどうなったらOKか、というのも大変測りづらいところではありますが。

せめて全国のワクチン接種率が上がるまで、ガチンコ競争は無理なんじゃ?

全国的に見れば、未だ大都市部以外では全年齢に対してワクチン接種の機会が与えられてはいないようですが、親から子あるいは第三者からの感染リスクを避けるため、持病やアレルギーで打てない人が感染しないため、医療への負荷を減らすためにも、理屈の上で接種率は今より数段高くならなければならないはずです。

打つ人・打たない人・打ちたくても打てない人、考えはそれぞれですが、今の状況では、大して息も合わない、アマチュアレベルの、趣味の範疇でのモーターサイクルレーシング・・・にもかかわらず血で血を洗う?接近戦が頻発するダートトラック競技を、おいそれと開催することはまだちょっと、いや全然違うかな・・・という印象でいます。どうせやるなら思いっ切りのほうがいいですもんね?

しかし個人的には2年近くまるで乗ってないと、どのくらいカラダが錆び付くものだか知りたくて、今から初乗りが楽しみですよ。また改めてそこからやり直したらいいですし。

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!