去る6月15日、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)から世界トライアル選手権第2戦シャレードのプレエントリーリストが公開されたのですが、ちょっと気になることがありました。第2戦は今年の電動バイクによるトライアル競技である「トライアルE ワールドカップ」の開幕戦を兼ねているのですが、そのリストにはこのクラス開設以来タイトルを独占しているメーカー、ガスガスの名がないのです・・・!?

トライアルE開幕戦のプレエントリーリストに掲載されているのはわずか3台・・・

2017年からスタートしている「トライアルE ワールドカップ」ですが、過去4シーズンで同部門を制覇したのはいずれもスペインの名門、ガスガスが生み出した電動トライアルマシンの「TXE」に乗るライダーでした。

2019年度に続き、2020年度のトライアルE ワールドカップ王者になったアルベルト・カベスタニー(右から4人目)。

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なお、2019〜2020年のトライアルEを連覇した名手アルベルト・カベスタニーは、2021年度からホルヘ・カザレス、ミケル・ジェラベルト、ライア・サンツを擁する、ガスガスのファクトリートライアルチーム監督に就任することになっています。

A.カベスタニーは2021年シーズン、監督としてガスガスに貢献することになりました・・・。

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そして6月15日に、今シーズンのトライアルE開幕戦となるフランス・シャレード大会のプレエントリーリストが公開されましたが、そこにはガスガスの名がありませんでした・・・。

第2戦フランス・シャレードのプレエントリーリストの最終ページ、最下段に記されたトライアルEのエントリーはわずか3台。そしてそこにガスガスの名はありませんでした・・・。

www.fim-moto.com

今年のトライアルE王者は、エレクトリック・モーションのG.シャタヌが有力?

プレエントリーリストにあるトライアルEの参加者はわずか3名。昨年度、カベスタニーとタイトル争いをしたランキング2位ガエル・シャタヌと3位のジュリアン・ペレ。この2人のフランス人ライダーは、ともにEM=エレクトリック・モーションのライダーです。

フランスのEM=エレクトリック・モーションのファクトリーライダーであるG.シャタヌ。2020年度は9月のフランス・イゾラでのトライアルEでA.カベスタニー(ガスガス)相手に両日ともに優勝。またイゾラの1週間前に開催されたフランス選手権ではS1クラスで、ICE(内燃機関)車を相手に、見事電動トライアルマシンのEM イーピュア・レースを駆って勝利しています。

www.electricmotion-usa.com

EM - TRIAL E WORLD CHAMPIONSHIP - ISOLA 2000

youtu.be

そしてプレエントリーリストに載るもう1人は、チェコのマレク・ヴンシュ(TPプロジェクト)です。もしこのプレエントリーリストどおりに、ガスガス勢が参加しないトライアルEが開催されることになったら、EMのイーピュア・レースに乗るG.シャタヌが今年の王者になると予想されるのですけど・・・。

上述の予想どおりのことになれば、トライアルE初年度から参戦してきたEMにとっては悲願の初タイトルになるわけですが、EMとしては強敵ガスガスと戦った末の初戴冠・・・という結果が欲しいと思うかもしれませんね。もっとも、その場にいて勝った者にこそ栄光に浴するのが、古今東西変わることないスポーツ界の真理です。果たして7月3〜4日のシャレードで、どのようなトライアルEの戦いが繰り広げられるのか・・・楽しみに来週末を待ちましょう。