今年に入って、世界各国の2輪EV用交換式バッテリーの覇権争いの話題が盛り上がっていますが、この分野のリーディングカンパニーである台湾のGogoro Inc.が、世界最大の電子機器製造サービスプロバイダーであるフォックスコン(Foxconn・鴻海科技集團=ほんはいかぎしゅうだん)と手を組んだというビッグニュースが入ってきました! インドと中国という巨大市場進出に取り組むGogoroは「無敵モード」になり、このまま電動化時代の交換式バッテリー業界の、覇者への道を爆走することになるのでしょうか・・・?

短期間で、目覚ましい飛躍を遂げたGogoro!!

2輪EVと国際投資に関心がある方で、Gogoro Inc.の名を知らない人はいないでしょう。Gogoroは2015年から台湾2輪車市場に参入した「新顔」ではありますが、自社製電動スクーターと、簡単にバッテリー交換ができるバッテリーステーションを数多く設置するという革新的な2輪EVビジネスを展開し、世界的に注目を集める企業になりました。

バッテリー交換プラットフォーム「Gogoroネットワーク」。登録利用者は市街地に数多く設置されたバッテリー交換ステーションで、充電済みのバッテリーを短時間で愛車に積み替えることができます。

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2019年からはヤマハとの協業で「EC-05」を販売するなど、台湾における"Gogoro連合"を強化。そして今年・・・2021年4月には、インドの大手2輪メーカー、ヒーロー・モトコープとインドにおける「バッテリー交換ネットワーク」を構築する合弁会社の設立を含む、スケールの大きな提携を締結しています。

さらに今年の5月18日には、中国最大のメーカーであるDCJ大長江集団と中国最大の2輪EVメーカーのYadea=ヤディアと提携し、Gogoroのバッテリー交換プラットフォームを活用した展開をすることを公表! 上述のヒーロー・モトコープとの提携によるインドでの展開に加え、中国本土での展開をGogoroが実現すれば、Gogoroは世界中の2輪ユーザー1/3という膨大な数に、リーチできる可能性を得たことになるのです・・・。

Gogoroは自社製スクーターたちを「スマートスクーター」と称しています。高価なリチウムイオンバッテリーは2輪EVを高価格化させる悩ましい要因ですが、Gogoroはバッテリーを交換ステーションのネットワークにより"サブスプリクション"化させ、車両本体の価格を抑えるというGogoroが生み出したクレバーな戦略が、今世界を席巻しようとしています・・・。

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飛ぶ鳥を落とす勢いの急成長ぶりのGogoroですが、台湾のスクーターNo.1メーカーのキムコはGogoroに対抗して5月28日に「アイオネックスEVリーグ」を発表。2018年春にキムコが導入したionex=アイオネックスというバッテリー交換プラットフォームの連合に、上海を拠点とする2輪EVメーカーのスーパーSOCOと、スポーツEVにフォーカスするFeloテクノロジーズが加わっています。

Gogoroとフォックスコンの組み合わせは、まさに鬼に金棒!?

本日6月23日・・・Gogoroとフォックスコンは戦略的テクノロジー形成のための覚書(MOU)に署名したことを発表しました! 1974年創業フォックスコンは、台湾に本拠を置く多国籍電子機器受託製造企業であり、世界最大の電子機器製造サービスプロバイダーとしてもあまりに有名な存在です。

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Gogoroはこれまで、25万個以上/日のバッテリー交換・・・計2億個以上!! のバッテリー交換サービスを台湾で提供してきた実績がありますが、今後インドや中国という巨大市場でGogoroのサービスを展開するためには、言うまでもなく今までとは比較にならないほどの車両・バッテリー供給能力が求められることになります。

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そこで、Gogoroはフォックスコンと手を組むことで、台湾から世界市場への飛躍を目指すことになったわけです。両社はGogoroの交換式バッテリーパックや、スマートスクーターなどの製品開発などで協力。またフォックスコンが製造を、Gogoroがマーケティングやサービス網のデザインなどテクノロジー開発を担うことで、事業の効率化を図っています。

Gogoro Inc.の創業者およびCEOであるホレス・ルークは、「Gogoroのエコシステムが、バッテリー交換や都市型燃料補給の業界リーダーとしての地位を確立していくためには、世界的な需要に合わせて製造規模を迅速に拡大する能力が不可欠です」と語ります。そして「フォックスコンの世界的な製造業のリーダーシップ、革新的な新技術への注力、持続可能な電気輸送への取り組みは、Gogoroにとって最適なものでした」とも述べています。

フォックスコンの技術と生産能力を得たGogoroは、まさに「鬼に金棒」といえる状態になったと言えるでしょう。COVID-19パンデミックが世界で終焉するのはまだ先になりそうですが、将来の経済回復期の事業拡大のスタートダッシュを決めようというGogoroの快進撃は、一体どこまで続くのでしょうか? 引き続き注目していきましょう!