どのメーカーも、往年の名手を起用する例が多いです
もっぱらICE(内燃機関)を用いたモーターサイクルが主役なのがモータースポーツの世界ですが、世界のモータースポーツを統括する団体であるFIMは「持続可能性戦略」を打ち出しており、次世代にモータースポーツ文化を受け継がせるための施策のひとつに、EVによる選手権の創出を掲げています。
モータースポーツの分野では最も人気のあるロードレースでは、2019年から「Moto E ワールドカップ」をスタートさせていますが、トライアルの"電化版"の「トライアルE ワールドカップ」はそれよりも2年早い2017年からスタートしています。
初年度の2017年は11名が参戦し、ガスガスのマルク・コロメが映えある初代王者となりました。2年目の2018年は、日本のヤマハも「TY-E」を黒山健一に託して参戦! 初戦フランスはロリス・ギュビアン(ガスガス)に対し減点2の僅差で優勝しますが、次戦ベルギーではギュビアンが優勝し、黒山は2位・・・。獲得ポイントはタイでしたが、2戦目優勝のギュビアンがルールにより王者を獲得という結果になりました。
2019〜2020年は、アルベルト・カベスタニーが連覇!!
3年目の2019年は、前年まで最高峰トライアルGPに参戦していたアルベルト・カベスタニーがガスガスのライダーとしてトライアルEに参戦することが話題となりました。2002年のインドア王者で、トライアルGP参戦最終年の2018年にはランキング5位になった誰もが認める実力者が、トライアルEに挑戦した訳です。
カベスタニーはガスガスの期待に応え、2019年、そして2020年もトライアルE王者になり、トライアルE初の連覇チャンピオンとして、またガスガスのトライアルEの4連覇をレコードブックに記録として残すことにもなりました。
5年目となる2021年シーズン・・・当初は6月13日のイタリア・トルメッゾが開幕戦になる予定でしたが、COVID-19禍の影響で7月3日のフランス・シャレードが今年のトライアルE開幕戦となる予定です。
日本時間6月15日現在、今年のトライアルEのエントリーリストは公開されていませんが、このカテゴリーで王座を守り続けるガスガスは、カベスタニーを世界トライアル選手権のチーム監督に起用することを発表しています。ということは、連覇中のカベスタニーが選手として今年のトライアルEに参戦することはない・・・ということなのでしょうかね?
ともあれ、上述のフランス・シャレードの次は、8月20日のアンドラ、そして8月28日のフランス・カオールの全3戦で競われる予定の、2021年トライアルE王者がどのメーカーの誰になるのか、注目したいです!