Lawrenceが独断と偏見? で選んだ、2020年の2輪業界にまつわる10大ニュース(順不同)。今回は2000年の最高峰クラス(500cc)王者となったケニー・ロバーツJr.に次ぐ、スズキ車に乗ったGP王者になったスペインの英雄、ジョアン・ミルの話題を紹介します!

伝統の青/銀カラーをまとって挑んだ2020年シーズン!!

スズキ創業100周年とGP参戦60周年という、記念すべき2020年シーズンのスズキGPチームのローンチイベントに登場したのは、青/銀のカラーをまとったMotoGPマシン、GSX-RRでした。このカラーリングは1960年代の第一期スズキGPロードレース活動期に、ワークスマシンに採用されたものです。アニバーサリーイヤーの成功にかける、スズキの意気込みをうかがわせる伝統色ともいえるでしょう。

42番のアレックス・リンスと36番のジョアン・ミルが跨るスズキGSX-RRの隣にあるのは、1967年型スズキRT67(125cc、水冷2ストローク並列2気筒ロータリーディスクバルブ)です。それに跨るのは、チームマネージャーのダビデ・ブリビオです。

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2020年のMotoGPは、COVID-19のパンデミックでカレンダーが例年にはない変則的なものとなり、各ライダーは精神面を含めコンディション調整に苦労したものと思われます。2019年にMotoGPクラスに昇格したスズキの若手ワークスライダーであるJ.ミルは、優勝は第12戦テルエルGP(アラゴン)の1回のみでしたが、2位3回、3位3回と安定した成績を通年おさめることで、見事スズキ初のMotoGPクラスタイトルを獲得! そしてスズキ車に乗ったライダーとして、10人目の人物となりました。

2020年シーズンのタイトル獲得を決めたレース・・・第14戦バレンシアGPを走るJ.ミル(スズキ)。7位で決勝を走り切りました。

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M.マルケスが復帰するであろう2021年シーズン、J.ミルの連覇なるか? 注目です

MotoGPクラスの開幕戦となった第2戦スペインGP(ヘレス)で、2019年度王者のマルク・マルケス(ホンダ)は転倒を喫し、右上腕骨折により2020年シーズンを棒に振ることになりました・・・。

チャンピオン候補の大本命であるM.マルケスの長期負傷欠場も影響してか、9人ものウィナーが誕生した2020年シーズンのMotoGPクラスの最多勝(3勝)は、同じペトロナス ヤマハSRT所属のフランコ・モルビデリ(ランキング 2位)とファビオ・クアルタラロ(同8位)でした。

そんな混戦のシーズンに王者となったミルはわずか1勝ということもあり、「もしシーズン中盤からの復帰だったとしても、M.マルケスが7度目のMotoGPクラス王者になれたのでは?」と考えるファンは多いようです・・・。2度のMotoGPクラス王者となったケーシー・ストーナーがスペインのメディアのインタビューに応じ、出したコメントがその考えの後押しとなっているようです。

ケーシー・ストーナー
「マルクが忍耐強く回復し、中盤に復帰していたら、チャンピオンになっていたでしょう。今年は彼がどれほど優勢だったかを証明しました。ヘレスで転倒する前まで、彼の挽回は他者を嘲笑しました。現状、多くのライダーたちは彼とファイトするためにより働く必要があります。」

一方で話題の当事者のひとりであるミルはメディアの取材に対し、M.マルケス不在のシーズンでも何らタイトルの価値が毀損されるものではない、と強く主張。そしてもう一方の話題の当事者であるM.マルケスは12月某日に、弟アレックスの付き添いで出かけたモトクロス場で偶然にもトレーニング中のミルに会い、その場でミルに2020年度の戴冠への祝福の言葉を告げた・・・そうです。

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12月に3度目の手術を受けたM.マルケスが、2021年シーズン開幕戦のカタールGPに復帰できるかどうかはまだ不透明ですが、ミルは開幕前のテストにM.マルケスが復帰し、万全の体調で開幕戦に参加してくれることを望んでいる・・・と、MotoGP公式サイトでは報じています。

シンプルにタイトル防衛のこと考えれば、強大なライバルであるM.マルケスの復帰は遅ければ遅いほどミルのプラスになるでしょう。しかしミルとしては、全戦でM.マルケスと戦って2021年のタイトルを防衛することで、自身の2020年度タイトルに対する評価を高めたい・・・という想いがあるのでしょうね。ともあれ来シーズンのM.マルケスとミルの戦いに、注目しましょう!