昼間の外出にはちょっとメゲそうなほど暑く、そしてまたアレやコレやで外遊びに二の足を踏み気味の方も決して少なくないであろうこの夏、ダートトラックレーシングの必需品・左足用鉄製スリッパー = "ホットシュー" づくりのワン of マエストロ、横浜のバディカスタムサイクルズ・福田収男さんが、2歳半ちょっとでちっちゃなモーターサイクル遊びを始めた我が家の長女 (と多分2歳下の弟) のために、市販最小サイズのオフロードブーツに合わせた逸品を製作してくださいました。ちっちゃ!

キッチリ道具を揃え刃を研いで待つのには絶好の日々・・・2020年の夏?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。穏やかな気候が安定したトラックコンディションを徐々に育むように、まずはある一定の条件が整わないことにはスカっと気持ちのよい "スポーツ日和" とならないことは、ダートトラック競技に取り組むうえでおそらく誰もが痛感する難しさのひとつです。

地表が干からびるほどカリンカリンに暑い夏の日も、夜には氷点下となって霜が降り日が昇ればグズグズと泥濘むような冬の日も、この種目にとってのハイシーズンというにはほど遠いことはもちろんですが、そんな厳しい時期には闇雲に?走り回りたい気持ちにほんの少しだけブレーキをかけ、道具の調達やチューニング関連の事柄へとじっくり目を向けてみるのも良いかもしれません。

能書きはさておき?一般流通する最も小さいサイズの子供用モトクロスブーツにピッタリと合わせ、今回バディ福田さんが技巧を凝らして作ってくださったこのホットシュー、大きさも重量も成人男性用の半分以下というスケールで、なんかもう目茶苦茶可愛らしい雰囲気です。うっとり。いいわあ。

ちびっこホットシューの重量は比較対象の500ccペットボトルより軽い400g弱。成人男性用はおよそ1kg前後。

親の因果が子に報い・・・という訳じゃないですし、最初から全身一級品で揃える必要はないのかもしれません。が、道具を使うフィジカルスポーツの本質に迫る意味では、より高みを目指すことと同時に (ちっちゃな) 我が身を守る術を早くから深く知るためにも、良いものを選ぶ目を養うのは悪いことではないはず。金属製ですから手入れさえ怠らなければそう簡単に朽ちるものじゃなし、その気になればあとに続く同じ年頃の子たちにも順繰りにグルグルと回していけるはずのものですから。

昨夜も今夜も明晩もブーツとホットシュー抱いて寝るの?あ、そう?気に入ったんだね・・・。

鉄スリッパー使い初め、父も娘も一緒になってとても楽しみにしてるんです。さーていつごろになるかな・・・。もう少し涼しくなって落ち着くといいな・・・。福田さんありがとうございました!

かつてはビギナー向け廉価版ホットシュー(未完成)というのがあったんです

昨今の国内ダートトラックシーンにおいて、ホットシューといえば各自のブーツにビチっと合わせたオーダーメイドが当たり前、その製作は手間のかかる作業だけにお値段はどうしてもおよそ数万円、という理想的な流れがスタンダードとなりつつありますが、このスポーツを始めるうえで最も重要なアイデンティティといえる必須アイテムとはいえ、その価格帯からちょっと二の足を踏む方がいることも充分理解はできます。手間と材料を考えたらものすごくお手頃に作ってくださってるのですが。

さて、かつて栃木県はツインリンクもてぎに200mと400mの立派な2つのダートオーバルがあったころの話。そこで開催されるスクールや初心者向け走行会といった催し向けとして、サーキットの売店ではたしか8,000円くらいで、財布に優しい? "廉価版ホットシュー" を購入することができました。

全長約280mmのこちらは最小のSサイズ。成人男性26cmだとロードレース用ブーツ相当でしょうか。

このホットシューの廉価版たる所以は、善し悪しが路面への足の引っかかりやひいては速さにも直結する、裏面の "強化肉盛り加工" が一切なく、シンプルな鉄板プレス製造の量産品であること。世のほとんどの成人用ブーツにざっくり合うよう、S・M・Lの3サイズが用意されていました。買った状態のままでも運が良ければ数日使用できますが、遅かれ早かれ底板には穴が空くことになります。強化肉盛りに比べあっという間に減る鉄板、当然路面上での滑り具合も心地よいものではありません。

しからばここに強化肉盛りを加え、走って→減って→直して→乗ってを繰り返す "スポーツマンサイクル" に乗せるためには、技術と材料の揃った工房に依頼しておよそ1.5万円ほどの追金が必要です。この工程をケチったらいつの間にか穴が空いて試合終了、もう使い続けられないのですが・・・。

購入→追加工という形でスタートアップとして段階を経ることが可能で、機能としてはほどほどのフィット感にせよ価格はしっかり抑え気味、という点では、このような価格控えめグレードの品が用意されていることも、このスポーツの裾野をなだらかに一層拡げていく方法のひとつかもしれません。

なお日本最小(当社比)のホットシューは、筆者の古い友人が製作しています

余談ぽくになりますが、最後におそらく日本最小のホットシューもご紹介しておきましょう。こちらの全長わずか60mmの鉄スリッパー型ペンダントトップ、製作するのは筆者ハヤシの15年来のダートトラックレース仲間・現在は我がレース団体FEVHOTSのメインフラッグマン、そして東京葛飾金町で和彫り彫金"零工芸"として活躍 (こちらがメイン) 、和田真の初期の作品のひとつです。

このご時世で乗れない日々に悶々とする貴方・いつもココロにホットシュー?首元に爽やかな逸品はいかがでしょうか。零工芸にはインスタグラムのDMからお問い合わせいただければと思います。

そしてまた今日ご紹介した廉価版ホットシュー、10年前にレース場がなくなったからってもう手に入らないってわけでもありません。もし欲しいという方がいらしたら、下の当方HP内・お問い合わせフォームからご相談下さい。ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!