まずは"これから始めるビギナー向け覚え書き"が大変ココロに響きます。
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。欲張り屋さんモードでアレもコレも盛り込みたい、いやいやここでやり過ぎたら入門向けにならないしなぁ・・・と言い出しっぺらしく悶々とする日々だったこの1年なんですが、パラッと開いた冒頭に記された、弄りだす前の要点4ヵ条がいきなりジワリと面白いのでまずはそちらをご紹介します。
1. 即レース可能な"仕上がった"マシンを入手せよ = 時間・フラストレーション・資金の節約。
2. 常にライディングスキル向上を狙い、"コンフォートゾーン"を超えてプッシュすべし。
3. マシンの信頼性を高める努力 = 乗るたび壊してせっかくの1日をぶち壊しにしないこと。
4. 高価なパフォーマンス系パーツを買う前に、乗り手のパフォーマンスを磨く努力から。
マシン選び放題・・・とまではいかないにせよ、"仕上がった競技車両" を中古入手できるということ自体、本場におけるこのスポーツの歴史や層の厚みを感じさせますが、"作る楽しみ" といわゆる "ライディング・プレジャー" を切り分けて考える、というのがなかなかクールで良い雰囲気です。
あちらでは400ccじゃなく25%増量の500ccがスタンダードなんですけど。
日本では免許制度の関係でSRといえば400ccですが、北米仕様はご先祖様であるTTもXTも500ccが基本。砂漠のようなオープンエリアを豪快に駆け抜けるイメージの大排気量シングルエンジンを、ダートトラックレーシング向けにより扱いやすく仕立て上げるための、明快なお手本が示されます。
たとえばかつての偉大なGNCチャンピオンライダーで、引退後はチューナーとして75年から82年にかけて、テリー・ナイトの製作したフレームにTT500を搭載したマシンを200台以上製作したと言われる、かのディック・マンによるチューニングTIPSは・・・
38mmのミクニ製・強制開閉式キャブレター
圧縮比10.5: 1の標準ボア(500cc)ピストン
φ40mm X 管長970mmのエキゾースト・ヘッダーパイプ + スーパートラップマフラー
ハイリフトカムシャフト + 強化バルブ
嬉々として試行錯誤を繰り返し、勝手に泥沼にハマる前に、このような歴史と王道を知るべし、とのこと。いやぁ、その発想が潔いというかフトコロ深いなぁ・・・。いろいろと勉強になりますね?
ものすごい情報量なので詳細は割愛して・・・"入門編"の2つのSTEPを。
この競技にドップリと触れるようになってから、アメリカン = 大雑把とはまるっきり思わなくなった筆者ですが、特にこの、40年超の蓄積ある "SR系ダートトラックチューニング" はもしかして相当奥が深い世界・・・なのかもしれません。というわけで今回入手したノートのオリジナル編者がオススメする入門編の2つのステップがこちら。
ステップ1:
手に入れたのがどんなスペックのエンジン (マシン) であれ、まず無駄な出費をすることなく、考えうる限り自由に、手足のように扱いきれるまで、レーストラックに足を運び続けること。初めの数年であっさり勝ったり上位を走ることは不可能と思って良いほど難易度の高い競技なので、とにかく資金繰りの泥沼にハマらないように。
ステップ2:
φ90mm (純正ピストンは87mm) の社外ボアアップピストン (純正より強い)
ヘッド研磨 + 鏡面加工
中間域〜高回転まで滑らかに回る "マイルド系" 社外カムシャフト
社外の強化バルブスプリング + チタニウム製リテーナー
キャリロ製コネクティングロッド (純正より強い)
吸排気バルブとロッカーアームを新品交換
社外強化クラッチ一式
以上"やたらと壊さないために"すべて必須(!)
ステップ1と2のギャップがまたなんとも微笑ましいところなんですけど、さて日本のSRフリークの皆さんと、これからダートトラックで使おうと企てる方々がどんなステージで遊び始めるか・・・今から非常に楽しみになってきました。あ、もちろん自分でも (今年こそ) やりますけどね。退路を断つために?この年末年始にSRエンジンを3機ほど仕入れましたので。いろいろと頑張ります!?
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!