本来ならば5月26日のメモリアルデイ・ウィークエンドに伝統のスプリングフィールド・マイル1(秋のベテランズデイにももう1戦あります)開催となるはずだったAFT: アメリカンフラットトラック選手権。開催地の中西部一帯に激しい雷雨の襲来が予想されたため、こちらのレースは秋に順延する形で中止となりました。代わって今週末、6月1日のレキシントン・レッドマイル競馬場での第7戦が、今期初のマイル戦となるわけですが、当地を代表するレーシングファミリーが、再びダートトラックレースシーンに勢揃いすることが明らかになりました。栄誉ある大会グランドマーシャルとして、チームマネージャーとして、そしてトップカテゴリーのライダーのひとりとして、あのヘイデン一家が帰ってきます!

ニッキーの急逝からはや2年。"ヘイデンズ" が再び動き出しました。

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。トレーニング中の不慮の事故により、次男のニコラス・パトリック・ヘイデンが亡くなって2年を数えるこの春、一家のレース活動・・・それぞれの成功のルーツでもあるプロダートトラックシーンの表舞台に、再び彼らが登場する時がやってきたようです。

GNC: グランドナショナルチャンピオンシップと呼ばれるAMAプロダートトラック選手権が、体制も新たにAFT:アメリカンフラットトラックとしてスタートした2017年シーズンから、久々にケンタッキー州でのマイルレースが組み込まれました。ヘイデン3兄弟を生んだまさにお膝元です。

父アール・母ローズが大会グランドマーシャルを務めることに!

本ラウンドのグランドマーシャルには、"ヘイデンズ" を育てた両親・アールとローズが名を連ねることとなっています。トミー、ニッキーそしてロジャー・リーの3兄弟は幼いころからダートトラックレーシングをベースに数々のレースキャリアを重ねました。3人それぞれが全米アマチュア選手権で最優秀選手となり、またプロキャリア初年度にはいずれも新人賞を獲得しています。

ヘイデン3兄弟がアメリカンダートトラックシーンで最も注目を集め、高い評価を得たレースは、こちらの2002年スプリングフィールドTTでしょう。3人いずれもAMAロードレースと掛け持ちでのスポット参戦ながら、史上初にして今日まで唯一の、兄弟での表彰台独占という快挙を成し遂げました。ニッキーがレプソルホンダチームのルーキーとしてMotoGPに転籍する前年の出来事です。

Hayden Brothers Sweep Springfield TT, Make History

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現役時代最もキレッキレだった長兄トミーは有力チームのマネージャーとして。

3兄弟で最もダートトラックレースにおける評価が高いのは、長兄のトミーというのが大勢の意見のようです。現在はAFTの有力チーム、エステンソン・ヤマハチームのアドバイザー・チームマネージャーとなったトミーが、その後のGNC / AFTマルチタイムチャンピオンであるジャレッド・ミースと450ccDTXで大接戦を演じる様子が、こちらからご覧いただけます。今から15年ほど前、デルマーショートトラックでのレースの模様。トミーはナンバー22、ジャレッドがナンバー16です。

Tommy Hayden vs Jared Mees - 2003 Del Mar Short Track

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昨年RRから正式引退した3男ロジャー・リーがツインズにMT-07で出走!

そしてほんの数日前に明らかになった大ニュース! 昨シーズンでAMAロードレースから引退した3男ロジャー・リーが、エステンソン・ヤマハチームのMT-07を駆り、本戦でAFTツインズにエントリーするそうです。同チーム所属でロードレースと掛け持ちのJD・ビーチが同日開催のRR・ロードアメリカ戦に参加するための代役という位置づけですが・・・引退したのはRRだけ、その後は生まれ育った懐かしのダートオーバルに帰る、という筋書きでしょう。亡くなった次男ニッキーの、WSB以降のプランもまったく同じくそのようだったと言われています・・・。

2015年シーズン終盤にラスベガスで一度だけ行われたイベントレース "スーパープレスティジオ・オブ・アメリカズ" でも極小ショートトラックで抜群のパフォーマンスを発揮したロジャー・リー。ヘイデンズ唯一の現役ダートトラッカーとして、久々の2気筒マシンでどんなレースを見せてくれるのか、非常に楽しみな一戦です。

決勝開始予定は現地時間の6月1日午後9時ごろから。AFTホームページをはじめ各SNSでもライブストリーミング視聴が可能なはずです。是非ご覧ください。

ではまた金曜の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!