年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ見るべき映画を紹介。
今回は、海底人と地上人の双方の血を引く超人の活躍を描いた『アクアマン』。DCコミック版アベンジャーズと言える『ジャスティス・リーグ』でスクリーンに初登場したアクアマン、その肉体美は今回も健在。
前評判も高いせいもあって、劇場は満員御礼状態だった。

ストーリー:映画『ジャスティス・リーグ』のその後の世界

海底王国アトランティスの王位継承者オームは、海を汚す地上の人間たちを一掃して海と陸を制覇するための戦争を仕掛けようしていた。その野望を快く思わない海底国ゼベルの王女メラ(アンバー・ハード)は、オームの許嫁である身ながら、オームの異父兄であり、アトランティスの女王アトランナと人間の男トムとの間に生まれたアーサー(ジェイソン・モモア)に助けを求める。

アーサーはジャスティス・リーグの一員アクアマンとしてバットマン、スーパーマンらと共に世界を救ったことで、知る人ぞ知る伝説的なヒーローとなっていた。
オームはアトランティスを率いつつ、他の海底王国との同盟を進め、より強大な権力を築いていく。アクアマンことアーサーは、メラを援け、陸と海の全面戦争を未然に防ぐことができるか??

見所もシンプル、設定もシンプル。

本作はDCコミック系の実写映画の興収最高記録を更新中という。
実際のところ、このところのDCコミック系映画のヒーローたちは大抵深い闇を抱えているというか、暗さが滲み出る世界観の中で苦渋に満ちた陰を引きずっていることが多いが(僕はそこが好きなのだが)、本作のアクアマンはその雄大な体格と底抜けの陽気さが特徴であり、海底人と地上人の間に生まれた自分の出生にまつわる悩みを抱えてはいても暗さの欠片も感じさせない。

そんな彼を主人公にしているだけあって、本作はひたすら爽快でシンプルだ。複雑な人間関係はあっさりと投げ捨てられて、メラの願いを容れてアトランティスに向かってからのアーサーには一切の迷いがない。そして、パワフルでスピーディーな展開は決して停滞したり後戻りしたりせず一気に進むのだ。

陰や暗さがないDCなんてDCじゃない!と苦言を言いたくならないでもないが、アクアマンはとにかくそういう作品。そしてそのシンプルさが世界中で受けているのである。

ちなみに、『ジャスティス・リーグ』でも魅せた主人公アクアマンを演じるジェイソン・モモアの鍛え抜かれた肉体と、不敵な表情は実に見モノ。さらにいうと、王女メラを演じるアンバー・ハードもいつもの悪女ぽさを湛えたまま海と陸の平和のために必死に戦うさまは、案外健気でしかもかっこいい。従来にも増していい女ぶりを発揮している。

本作を観たならば、男なら筋トレ、女ならエステに励んで、その強さと美しさに少しでも近づく努力を始めるべきだし、多分そういう気分になることだろう。

映画『アクアマン』日本版本予告【HD】2019年2月8日(金)公開

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