年間100本以上の映画を鑑賞する筆者が独自視点で今からでも・今だからこそ観るべき映画を紹介。今回の100分の1の映画は、マイケル・ペーニャ主演のNetflixオリジナル映画『エクスティンクション 地球奪還』。共演は『ルーク・ケイジ』シリーズのマイク・コルター。

ストーリー

近未来の地球。毎日続く悪夢に悩むピーターは、妻や子供たちが心配し不安になっているのを知りつつも、夢の内容を打ち明けられずにいた。
その悪夢とは、限りなくリアルで残酷なものだった。突如上空から襲いかかってくる不気味な侵略者たちによって街は破壊され、人々が次々と殺されていく。抗うすべもなく逃げ惑う自分たちの姿を、ピーターは家族に話す気になれなかった。

家族や周囲の友人たちが彼をノイローゼではないかと疑い始めた時、惨劇が始まる。ピーターの夢は正夢となり、侵略者たちが街を破壊し始めたのだ。果たしてピーターとその家族は生き延びることはできるのか?そして侵略者たちの正体と目的は?・・・

侵略者たちの正体を暴いたとき、主人公を戦慄の真実が襲う・・・

タイトルの『エクスティンクション(Extinction)』とは”絶滅”という意味。文字通り自分たちを絶滅させようとする頑なな意志を持つ敵の侵略を受ける地球を描いた、一種のディストピア映画だ。
しかし、通常の侵略モノとは趣向が違って、後半には非常に今風というか知的などんでん返しが待っている。

圧倒的な火力で攻めてくる侵略者に対して、なすすべなく殺害されていく同胞の姿に衝撃を受けるピーターだが、夢に見ていた光景とは異なるものの、繰り返し悪夢の中でシミュレーションを受けていた彼は動揺しつつも、とにかく家族の安全を図ろうとする冷静さがあった。このために自分はあの悪夢を見せられていたのか?と思うピーターだったが、その夢は実は夢ではなく、封じたはずの過去の記憶だった・・。そしてそんな記憶をなぜ自分が持っているのか?という自問の答えこそが、本作の根幹を成すプロットなのである。

Netflixオリジナル映画はどれも質が高くて十分な予算を投じられているものばかりだが、本作もその例外でなく、激しいアクションと華やかなCG、そして巧みな脚本と、上質なエンターテインメントの条件を満たしている。そして主役は『アントマン&ワスプ』でのコミカルな演技が評判を呼んでいる、名脇役のマイケル・ペーニャ。面白くないわけがない。

モバイルではなく、できるだけ大きな画面で観ることをオススメしたい。