ホンダにまつわる豆知識を紹介する当連載第8回目。今回は1970年代末に定められたホンダ2輪の「新型式」について説明します。なおここでいう新型式とは、名車の誉れ高い1987年型ホンダVFR750Rの「RC30」とか・・・のことです。

やっぱり3桁数字だけじゃ足りませんでした・・・

1950年代、1960年代・・・とガンガングイグイ急上昇カーブを描いて成長していったホンダが、モデル数の増加により図面や部品などの管理が大変になっていったことは、前回「その7」で説明したとおりです。

当時、諸々の管理のためホンダは3桁数字の「プロダクトナンバー」を使っていたのですが、やっぱり1970年代の後半には次第にその数字は限界の「500」に近づいていきました・・・。なお500番以降は4輪やほかのホンダ製品に使っていました・・・。

旧型のOHC4気筒から、DOHC4気筒を搭載した1978年型のCB750K。プロダクトナンバーは「425」で型式(モデルコード)は「RC01」でした。

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そこでホンダは数字の枯渇を補う対策として、アルファベットを組み合わせたプロダクトナンバーを使うことにしています。この新プロダクトナンバーは、300番までの数字のみの3桁プロダクトナンバーのように「区分」を判別できるようになっていたのも特徴でした。

G〜・・・・・ 2輪50〜90cc
H〜・・・・・ ATC
KA〜・・・・ 2輪100cc〜(一部400cc含む)
MZ〜・・・・ 2輪400cc〜
N ・・・・・・ RSC・HRC製品
P・・・・・・ 4輪エンジン・ミッション
S・・・・・・ 4輪
V・Y・Z・・・ 汎用 

そして数字のみの3桁プロダクトナンバーが枯渇した1970年代末の時代に、ホンダはこの機会を活かそう・・・と考えたのか、新しい2輪の「モデルコード」を制定しています。アルファベット2つ+数字2桁の組み合わせの「モデルコード」は、最初のアルファベットが排気量区分、続くアルファベットがモデルの性格を示し、2桁数字は基本順番に割り振られる・・・という構成です。

必ずしも順番どおりではありません・・・?

排気量を示す最初のアルファベットは、A=50cc、H=80cc〜、J=125cc、M=〜250cc、N=400cc、P=500cc〜、R=750cc〜、S=900cc〜、T=3輪・・・で分けられています。そしてモデルの性格を表す2つ目のアルファベット(サブコード)は、C=オンロード、D=デュアルパーパス、E=オフロード競技車両、F=スクーター・・・となっています。

1987年に国内市場にも投入されたホンダRC30ことVFR750R。当時新たに成立するSBK(世界スーパーバイク選手権)を意識して生まれたホモロゲーションモデルであり、ワークスTT-F1マシンのRVF750譲りのV4エンジン、アルミフレーム、片持ち式プロアームなどを採用。レースユーザーだけでなく、一般のライダーたちからも熱烈に支持されたモデルでした。ちなみにプロダクトナンバーは「MR7」です。

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今回の記事サブタイトルのVFR750R(RC30)の場合、「RC」は750ccのオンロードモデルで30番目・・・ということになります。他の例をあげますと「AF」は50ccのスクーター、「HE」は80〜100ccのオフロード競技車両、MDは200〜250ccのデュアルパーパスということになるワケですが、プロダクトナンバーなどに比べると、非常に理解しやすいことがわかります。

なおプロダクトナンバーについては、必ずしも順番どおりに割り振られているわけではありません。いろいろな都合? により、順番が入れ替わっていることがままあるみたいです。有名な例としては1997年に発売されたドリーム50(モデルコードAC15)があげることができます。

1962年デビューの市販レーサー、ホンダCR110のレプリカとして登場した原付スポーツのドリーム50。DOHC4バルブ単気筒・・・という構成もCR110を意識して採用されたものです。なおHRCキットパーツも発売されていました。

ja.wikipedia.org

往年の50cc市販レーサーの名機であるCR110を意識して作られたドリーム50ですが、このモデルのプロダクトナンバーは「GCR」であり「CR」の2文字が入っています。これは本来順番どおりなら違う3桁になっていたのですが、「CR」を入れるために順番をズラしているのです!

「CR」を入れたい! という開発陣のコダワリが背景にあるエピソードですが、ほかの例外的モデルのこのへんの話を掘り返してみると、いろいろなドラマがあったりするのでしょうね・・・。