シャイリーン・ウッドリー主演のSFサスペンス映画シリーズの完結編。
文明崩壊後のシカゴには、無欲平和高潔博学勇敢の5つの属性別に共同体(派閥)にコミュニティを分別することで争いを廃してきた管理社会が存在していた。
そのどの属性にも当てはまらない人間は”異端者(ダイバージェント)”とされ、迫害されるが・・

”第二のジェニファー・ローレンス”、シャイリーン・ウッドリー主演

近未来のディストピアを描いた『ハンガー・ゲーム』のヒロインとしてブレイクしたジェニファー・ローレンスに似たキャリアを持つシャイリーン・ウッドリー。第二のジェニファー・ローレンスとも称される所以だが、実は僕は彼女の容姿があまり好きでない笑。

なのだが、彼女がジェニファー・ローレンス並みのスター性と女優としての資質を持っていることは否定しない。
本作はアクションも伴うSFサスペンスであり、設定もある意味荒唐無稽さを持つものだが、重篤な病に冒されたカップルを描いた『きっと、星のせいじゃない』などではいつ来るかもしれない死に怯える少女を好演するなど、演技力の高さはなかなかに確かなものだと思う。

「ダイバージェント」シリーズ完結編

本作は、世界大戦の果てに文明が壊滅したあとのシカゴを舞台にしている。
生き残った人々は、フェンスに囲われたシカゴに篭り、超管理体制を作ることで200年にわたって安定した社会を維持していた。
彼らは、無欲平和高潔博学勇敢 の5つの属性によって強制的にコミュニティを分け、それぞれのコミュニティに任務を与えることで効率的に管理するという手法をとっていたが、やがてどの属性にも当てはまらない人間が生まれ出てくる。ヒロインのトリスことベアトリスもその一人だ。
コミュニティを管理する権力者たちは、彼らを異端者<ダイバージェント>と呼び、隔離しようとするが、トリス達は仲間を集い、体制を覆そうとするが、そのとき、フェンスの外から「あなたたちは唯一の生き残りではない。フェンスの外に出れば仲間が待っている」というメッセージがこだまする。

従来の独裁的な管理体制を倒しても、結局似たような権力者達が生まれてしまうことに失望したトリスは、数人の仲間とともにシカゴを脱出し、メッセージの持ち主を探すが・・・。

世界大戦→文明崩壊→ディストピア→脱出、という典型的なサークルだが・・

本作は「ハンガーゲーム」などと基本的なコンセプトを一にする、典型的なディストピア映画だ。
ヒロインのトリスが持つ”特別”な資質が物語のキーとなるはずだが、正直どこがそれなのかを測り知ることは難しい。

「ハンバーゲーム」では、ヒロインのカットニスが、バトルロワイヤルさながらに仲間同士で殺しあう殺人ゲームに妹の身代わりとして参加するも生き残ったことで、その存在感を証明できたし、さらに彼女を広告塔に仕立てようとする反体制陣営の思惑などが、カットニスを特別な存在にしていくうえでの説得力となっているが、本作ではそれが薄いように思う。

シカゴを脱出したあとでトリス達を迎える”フェンスの外”の社会もまた違う意味の管理社会であり、差別的な階級が存在しており、トリスは自力で新たな社会を築く決意をすることになるが、彼女にそこまでのカリスマがあるようには描かれておらず、若干”なぜ?”と首を傾げたくなる。

ダイバージェント FINAL 予告編

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