1932年公開の「ミイラ再生(原題:The Mummy)」のリメイクであり、米ユニバーサル・ピクチャーズが企画した、クラシックなモンスター映画をリメイクする一大プロジェクト「ダーク・ユニバース」の第一弾。

モンスター版アベンジャーズを目指した米ユニバーサル・ピクチャーズ

複数の異なるキャラクターの映画をクロスオーバーさせ、それら全ての作品を同一の世界観として扱う手法は現在映画界の一大トレンドになっている。マーベルとディズニーが大成功させたアベンジャーズシリーズ(マーベル・シネマティック・ユニバース)がその発端であるが、『マン・オブ・スティール』から始まり『ワンダーウーマン』という女性スーパーヒーローも成功させたDCコミックのDCエクステンデッド・ユニバースもまた、スーパーマン、バットマンといった超有名スーパーヒーローをリファインするだけでなく、フラッシュ、アクアマンなどの隠れた有力キャラの単独映画化の実現にも繋げている。

ワーナー・ブラザースxレジェンダリー・エンターテインメント(東宝と提携)には、怪獣映画シリーズ「モンスター・バース」があり『GODZILLA ゴジラ』『キングコング: 髑髏島の巨神』を大成功させ、次はゴジラvsキングコングなどの企画を進めているという。

今回の『ザ・マミー』は、自分たちも自前のクロスオーバーシリーズを持って展開していきたいというユニバーサル・ピクチャーの一大プロジェクトの一環であり、『ミイラ再生』『魔人ドラキュラ』『透明人間』『フランケンシュタインの花嫁』『狼男』といった過去のモンスターたちを現代に蘇らせようとする目論見だった。

いわば、DCコミックはDCヒーロー版アベンジャーズを目指し、ワーナーは怪獣版アベンジャーズ、そしてユニバーサルはモンスター版アベンジャーズを作ろうとしたわけだ。

繰り返すが、本作はモンスター版アベンジャーズ「ダーク・ユニバース」の第一弾、というポジションにあった。

1932年の名作『ミイラ再生』をベースとしながら全く異なるストーリーに

主人公ニックは中東の地で、なぜか5000年前の古代エジプトの遺跡を発見する。それは次期女王の座が約束されながらも挫折したことで死の神“セト”と契約を交わし、邪悪な存在となった王女アマネットが封印された禁断の場だった。果たしてニックたちが掘り出してしまったことでアマネットは蘇り、その暗黒の力を完全に取り戻そうとし始める。ニックの肉体を使って、悪神セトをこの世に復活させようとするのだ・・。

アマネットの復活を知り、彼女の悪しき目論見を阻止しようと動き出したのは、ロンドンに拠点を持つ秘密組織「プロディジウム ― PRODIGIUM ― 」だった。彼らの目的は、この世に存在する悪を識別、分析、拘束、破壊すること。リーダーは『ジキルとハイド』で知られるヘンリー・ジキル博士。

彼らはニックとアマネットを拘束し、この世から抹殺しようとするが・・・。

ミイラは再生するも、プロジェクトは最盛、とはいかない模様

残念ながら本作は期待された成果を得られず、どうやらダーク・ユニバースプロジェクトも頓挫してしまうらしい。

実際のところ、本作は悪の王女アマネットには妖しい魅力があり、その彼女に見込まれてセト復活の人柱に選ばれてしまう主人公ニックとの関係性はそれなりに見るべきところがあるのだが、アベンジャーズにおけるシールド(もしくは敵対する秘密組織ヒドラ)に相当する秘密組織「プロディジウム(PRODIGIUM)」の登場がやや唐突でわかりづらい。また、「プロディジウム(PRODIGIUM)」のトップが「ジキルとハイド」に登場する二重人格の主人公ジキル博士であることを飲み込めるまで、やや時間がかかる。ジキルとハイドを知らない若い層も多いと思うし。

つまりは若干ごちゃごちゃしているのだ。

面白くないか、と言われれば、観て損した、ということはない。上に書いたようにアマネットは演じているソフィア・ブテラの美しい肢体もあいまって妖しい魅力があるし、怪物を恐れながらもどこか魅入られるニックを、トム・クルーズは上手に演じていると思う。

しかし、実際問題として何作も続いていく世界観を理解させようとしすぎて、映画全体として見るとごちゃごちゃしている、それが感想となってしまうのである。

ダーク・ユニバーサルの次回作とされた『フランケンシュタインの花嫁』のリブート作品の公開は無期延期になっているようだが、プロジェクト再生とはなるのだろうか。
いまのところ、かなり難しい状況、というところらしいが。

5000年前のエジプトの王女アマネットは死の神セトと契約し暗黒の力を得るが・・・

themummy.jp

『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』本予告

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