ドゥカティの未来のためのV4スポーツ!
予想どおり、デスモセディチ・ストラダーレは、MotoGP用マシンと同じ90度V型4気筒のレイアウトを採用しています。最近はエンジンのコンパクト化のためにシリンダーの挟み角を小さくするV型エンジンが流行ってますが、振動を抑えるバランサーシャフトに頼る必要がないこの90度V4のレイアウトが、ドゥカティは最良と考えているのでしょう。
またMotoGP用のデスモセディチと同様、デスモセディチ・ストラダーレも逆回転クランクシャフトを採用しています。車輪と反対方向に回転する逆回転クランクシャフトは、車輪によって生成されるジャイロ効果を一部打ち消す特徴があります。これはハンドリングをより俊敏かつ正確にする効果を発揮するとして認知されてます。また逆回転クランクシャフトは加速時にフロントエンドを下げ、過大なウィリーを低減する効果もあります。
最高出力は210馬力以上!
デスモセディチ・ストラダーレは、その名のとおり公道用なので、公道用に必要なミッドレンジのトルクを最大限に引き出すため、MotoGPマシンより大きい排気量=1,103ccが与えられているのが特徴です。 ユーロ4バージョンは13,000rpmで155 kW(210 hp)以上の出力を発生。そして、8,750rpmから12,250 rpmの回転域で、120Nm(12.2 Kgm)を超える最大トルクを生み出しています。
ピストンのボアは81mmで、これはMotoGPのレギュレーションで許される最大径の数値です。一方ストロークは53.5mmでMotoGPマシンより長く、公道車に必要なトルクを得やすく、かつ回転数を抑えめにすることで信頼性を高めています。
MotoGP用マシンとボアサイズを使用することにより、MotoGP参戦で得たデータを活かした設計(バルブ、吸気管、スロットルボディーなど)を使えることは、デスモセディチ・ストラダーレにとっては大きなメリットに違いありません。
デスモセディチ・ストラダーレって、車名じゃないんですね・・・?
MotoGPゆずり・・・ということで、レーシングマシンでは当たり前の頻繁なメンテナンスが、デスモセディチ・ストラダーレには必要そう・・・と心配してしまいます。しかし、標準的メンテナンス距離は24,000kmと長めに設定されていますので、オーナーになりたい方は、ひとまずひと安心ですね?
気になるRバージョン・・・SBK(世界スーパーバイク選手権)用のホモロゲーションモデルですが、Rバージョンについては残念ながら現時点では公表されませんでした。当然、排気量は1,000cc以下で設計され、1,103cc版よりもレース向きな高回転型なエンジンになることでしょう。
ところで、私ひとつ大きな誤解をしていたのですが、デスモセディチ・ストラダーレはエンジンの名前で、モデル名じゃなかったんですね(恥)。デスモセディチ・ストラダーレを搭載するニューモデルの名前は、「ドゥカティ・パニガーレV4」になるみたいです!
V2の現行パニガーレシリーズがヒットしているのだから、パニガーレの名前を引き続き使うのは良い戦略なのかもしれません。ともあれ、「ドゥカティ・パニガーレV4」がどのようなシャシーを採用しているかは、現地時間11月5日午後9時に行われる、ドゥカティ・ワールド・プレミア2018で公開されるので、その時を楽しみに待ちましょう!