モバイルがインターネット上のコンテンツを消費する主たる舞台となったことで、画面は小さく、そして縦型に制限されることに変化した。狭い画面において過度なデザインは不要どころか邪魔でしかなく、オーディエンスがコンテンツを見やすいように・読みやすいように極力控えめに制作されねばならない。
事実、FacebookやInstagram、Twitterなども基本的なUIは同じであり、ロゴもないか、あっても小さく、ツールとしての機能を表すアイコン類は小さくモノクロで、目立たないように施されている。
- MdN Design Interactive

Webサイトの役割も、それ自体が完結したパッケージとして孤立できるメディアではいられなくなり、さまざまなアプリやデバイスにコンテンツを配布することできるための”URL(パーマリンク)を持ったコンテンツ”のコンテナーとしての役割へと変化している。コンテナーの形状や色合いに興味を持つ者は少ないように、Webサイトそのもののデザインに興味を持つ者は限りなく減っているのである。大事なことは、どんなコンテンツを集積し蓄積できるか、ということであるし、そのコンテンツを好きな場所(アプリやデバイス)に送り届けることができるかどうか、ということだけなのだ。

Webサイト自体は、それぞれのコンテンツの配信先から、特に集積された他のコンテンツへの興味を持ってリンクを辿ってくれた貴重な人々をもてなすためのデザインがあればそれでよい。余計なことは必要がなく、訪れた人を邪魔することなく、すぐに他のコンテンツを消費してくれる手伝いをする、ただそれだけを考えるべきなのである。