男はいつまでオートバイ乗りの精神を持ち続けていられるのか。男はなぜオートバイに惹きつけられていくのか。そして男はなぜ速いものに憧れ、速いものを憎むのか。「バイク乗りのバイブル」としてバイクを愛する男たちに愛され続ける『キリン』の物語を紐解いていきたいと思います。
THE HORIZONTAL GRAYS(5巻~ 18巻)
高校生の不破雅樹は峠最速の「むてきんぐ」集団のトップとして君臨していたが、ある日、ピンクホイールの刀「ウィンディー」と呼ばれる女性ライダーが現れ、バトルを仕掛けるがあっさり負けてしまう。ショックを受けたマサキは限定解除を決意。同じクラスの仲間を巻き込んで、オートバイに取りつかれた精神の深みにのめりこんでいく。
仲間はそれぞれ青春を謳歌し、あるものはレースに開眼し、またあるものは4輪へと移っていくが、マサキは高校を中退してバイク便で生計を立てながら、さらなるスピードの限界へと自分を追い込んでく。マサキが首都高で知り合った年上のバイク仲間「バーン・ストーム・トゥルップス」のタイゾーが切り盛りしているカフェ「ランブル」に入りびたり、その仲間であるチョースケやさまざまに個性的な男たちと知り合いながら、ゆっくりと大人の扉を開けていく。そんな時、チョースケが首都高で4輪の走り屋「ドーン・コメッツ」の1台とバトルになり、転倒。あっけなく死んでしまう。
マサキはチョースケの死を受け入れることができず、荒れた心のまま日々を送るが、タイゾーたちの語る「キリン」の言葉が次第に心に染み込んでいき、その意味はわからないまま、スピードの向こう側を覗き見るようになる。