輝かしいあの時代を駆け抜けた名車たちを手に入れる、ラストチャンスは今かも…というワケで、新ジャンル・クルマ情報誌「輸入車道楽 SHA LUCK」の記事から注目ネタをピックアップしてお届けする「ギリギリ・ボーダー名車」たちの世界。初代BMW M3を巡るパラダイスなプロショップのお話をば、ご紹介いたしましょう。

1988年式 BMW M3(E30型) 価格応談

自分でイジって遊べる、アナログ感がたまりません。

「これはレーシングカーそのものじゃないか」と、思ったそうです。『パクトールインターナショナル』代表、橋本光晴氏が、初めてE30型 M3と出会った時のファーストインプレッションです。
もちろんこの後、E36型以降の3シリーズにもしっかり『M3』は設定されていましたが、橋本代表にとって「6気筒は、違う」のだとか。「自分でイジれる」楽しさは、やはり直4に勝るものはないのです。

それから長きにわたる橋本氏の、初代M3オンリーのプロショップ事業展開が始まったのでした。
はじめはドイツから直接、仕入れるところからスタートしたそうです。ここまでひとつのクルマにのめり込むことができるって、凄い! としか、言いようがありません。

だからこそパクトールには、さらに「凄い!」お客さんたちが集ってくるのです。
休日になるとやってくる彼らのお目当ては、「お宝探し」です。「宝の山」は、こんなところです。

ギッシリと倉庫を埋め尽くした、中古パーツたち。お客さんたちは、休日になるとここを発掘し「次はこれをつけるぞ〜!」と、盛り上がるのだそうです。

M3用エンジン単体です。55万円なり。部屋に飾りたい…。

オーバーホール中。このまま飾りたい…。

ある理由で逝ってしまったピストンです。味わい深い…飾りたい…。

このBMW M3に限らず、「ボーダー名車」に対する熱狂的な「恋煩い」は、強烈な感染力を持っているようです。実際、取材してきた記者も、30分ほどお話を伺っているうちに「宝探し」に挑戦してみたくなったとかならなかったとか…でも、その気持ち、よくわかります。
実は僕も、潜在的に「初代M3が欲しいよ〜」熱に感染しているもんでして。
パクトールなら、メンテやチューンももちろんOK。やっぱり「ワンストップ」がお気楽です。

もともと3.5Lの直6DOHCを、2気筒削って作られた2.3L直4DOHCエンジンを搭載。5速MTが組み合わされていました。最高出力は195PSから始まり、のちに238PSの2.5L仕様まで進化します。グループAカテゴリーのホモロゲ取得を目的としたモデルでしたが、DTMに代表されるツーリングカーレースシーンを、文字どおり「席巻」したのでした。日本への正規輸入は、1987年から。当時野間角は658万円なり。生産は1990年に終了しています。

すべてを独学で学び、経験し、ついには日本屈指の初代M3のエキスパートとなった橋本光晴『パクトールインターナショナル』代表。

www.pactole.co.jp