1985年から2007年までの伝説的企画、特集を一冊に凝縮。この連載では、モーターマガジン社全面協力の元、同社出版誌である【名車の記憶】ホンダスポーツクロニクルより、ホンダの名車の歴史を振り返り、紹介をしていきます!(あぁこ@ロレンス編集部)

2001年12月にNSXタイプRが名称をNSX-Rに変えてついに復活しました‼︎変わったのはもちろん名前だけではありません。(笑)またまたパッと見ではそれほど変わっているようにも見えないのですが、今回は最速性能を追求し驚きの空力性能でレーシングカーにまた一歩近づいたRに注目しています。さらにレーシングドライバー、モータージャーナリスト、そして日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもある 松田秀士さん がNSX-Rに実際に乗り語っています ❤︎ 極限の高速走行条件下における車体、足回り、エンジンなどのテストを行う難コースでもあるホンダ北海道・鷹栖プルービングセンターでの試乗では、旧型との違い新型NSX-Rをどのように感じたのでしょうか。

200km/h オーバーのコーナリングも恐くない

「どうしてこんなに路面に吸い付くんだ…」。これが、僕の新型NSX-Rの第一印象。まず、こいつを試すステージとなったのは、ホンダ北海道・鷹栖プルービングセンター(“なーんちゃってニュルブルクリンク”と僕は勝手に呼んでいる)だ。鷹栖は日本中どこを探しても「こんなにおっかない道はない」、というくらいにハードなテストコース。ほとんどが3〜4速ギアを使用する中高速コーナーから成り立っていて、アップ・ダウンはもちろんのこと、意地悪にも、路面のいたるところにわざと凸凹が作られている。新型Rはサスペンションのロール剛性を上げている、と試乗前に説明を受けていたのでハードな鷹栖では「ひょっとして硬すぎて飛び跳ねるのでは」と心配したのだが、それは杞憂に終わった。旧型Rと乗り比べると、跳ねてもその後の挙動が明らかに安定しているのがわかる。

旧型は確かに、とても正確に路面からの情報をステアリングに伝えていた。それゆえにかえって機械的な遊びのないロジックが存在し、それが性能第一主義のお利口さんスポーツカーを演出していた。だから、路面の凸凹はただその模様を伝えるだけだったのだ。でもね、新型ではその伝え方にインテリジェンスを感じるんだ。そして操作方法(運転の仕方すべて)によってその感じ方が変わるので、ひとつのコーナーに対していろんなアプローチでコーナリングを楽しめる。つまり、“技”がたくさん使えるようになったということ。これって、今までポルシェやフェラーリにはあっても、ホンダにはなかったものだ。(HA2002年7月号掲載)

新しい開発アプローチ 「空力操安」 とは何か?

新型の開発にあたっては「空力操安」という新しい考え方を導入している。これは従来のネガティブに考えられていた空気抵抗を積極的に利用して、高速域の旋風現界と挙動安定性を向上させようという技術的なアプローチ。レーシングカーではよく用いられている手法である。具体的にはエアアウトレットダクト付きカーボンボンネットフード、フィン付きフロントアンダーカバー、リアディフューザー、カーボンリアスポイラーなどを採用して、マイナスリフトを実現している。

マイナスリフトとは、高速走行時にボディが浮き上がらないように地面に押さえつける力のこと。旧型はプラスリフトだったから、高速になるほどボディが浮き上がって挙動が安定しなかったが、新型ではマイナスリフト化により高速域でのコントロール性が飛躍的に向上している。

また、これにより旧型の弱点だった抵・中速域でのアンダーステア傾向を消すシャシセッティングが可能となり、全域で高い旋回性能を手に入れることができたのだ。(編集部)

コックピット へのこだわりもハンパじゃない!

アルミ調のセンターパネル、リアカーボンのサイドパネル&シフトプレートなど、ドアを開けた瞬間に感じるコクピットのレーシーさは、ドライバーを悦楽の世界へと誘う。

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超軽量カーボンアラミド素材を採用した、レカロ社製の一体型バケットシート。軽量化だけでなく、サーキットでのホールド性と滑りにくさも配慮している。

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300km/hスピードメーターを採用。タコメーター内にはシフトインジケーターも備える(緑がピークパワー時、赤がレブリミット時)

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ドアを開けると、ステップにはアルミプレートを付けている。シリアルナンバー付きだ

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(◉HA 2002年7月号掲載)