日本国内で開催されているレースプログラムの中でも、圧倒的な人気を誇るのが『オートバックス スーパーGT』シリーズです。とくに輸入車道楽を極める上で見逃せないのが、GT300クラス。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなど、多彩なマシンたちの熱い戦いは、憧れ感と「欲しいよ」指数を、嫌が応にも煽ってくれちゃったりして…。

国産勢だけでなく、海外のツーリングカーレース規格に合わせたFIA GT3マシンが多彩に揃っているのは、GT300ならではの醍醐味です。「オートバックス スーパーGT 2016シリーズ」の詳細は、下記URLへ。

supergt.net

好きなカッコやカラーリングで、応援するマシンを決めるのが楽しい!

2016年シーズンの皮切りは、岡山国際サーキットでの300kmレースから(4月9-10日)。開幕戦ということで、ややこしいウエイトハンデもなく、純粋にマシンの性能、完成度が勝敗を左右する「わかりやすさ」が魅力です。ここでトップ5のうち1位、2位、4位入賞を果たしたのが、今シーズンから本格参戦しているメルセデス・ベンツの新型GT3マシン『AMG GT3/M159』でした。

トヨタ、日産、ホンダが文字通り威信をかけているモンスターなGT500クラスのマシンたちに比べて、GT300クラスはベースとなっているクルマの印象が、比較的色濃く残っているのが特徴です。ですから、応援するにしても「カッコが好きだから」で十分、楽しめるハズ。同じマシンでもチームによってカラーリング=印象がまったく異なるので、仲間同士で「カッコ+カラーリング」からイチオシを絞り込んで、それぞれに声援を送ったりするのも、アリ!なんです。

岡山国際サーキットでの開幕戦を制したのは、No.65 LEON CVSTOS AMG-GT(黒澤治樹/蒲生尚弥)。チームとしては、参戦4年目にして念願の初優勝を獲得!です。

もしかすると世界最強の痛車? No.4 グッドスマイル 初音ミク AMG。開幕戦では2位表彰台に。

No.11 GAINER TANAX AMG GT3のスタイリッシュなカラーリングは、正統派バトルマシンの真骨頂。

わかる人にはすぐわかる…No.111 エヴァRT初号機 Rnーs AMG GTもさりげなく派手。

SLS AMG GT3こそ、実は真のスーパーメルセデス?

2016年シーズンのメルセデス勢は、もう1タイプ、SLS AMG GT3もともに戦っています。昨シーズンまでは主力だったこのマシンは、市販モデルでも2014年からAMG GTにシフトしていますが、セグメント的に言えばSLSのほうが1ランク上に当たります。AMG GTはポルシェ911が直接的なライバルですが、SLS AMGはもっとわかりやすい「スーパーカー」。AMG GTの1580〜1840万円に対して、SLSでは約2500万円からという新車価格の違いを見ても、その立ち位置の違いは明らかです。確かにもはや「旧型」ですが、存在感の強さでは決してヒケをとりません。

2016年シーズンも、2台のSLS AMG GT3が参戦しています。

1950年代の名車300SLの正統を受け継ぐ証しが、このガルウイング。AMG GTは、残念ながら普通に横開きです。

SLS AMGのハイテクを「格安」で楽しめる1台が…

ちなみに、中古車市場でのSLS AMGは安くても2000万円チョイ切りくらいから。ほとんどは2500万円以上か、ASKやら応談やら…こちらもしっかり「スーパーカー」な相場となっています。ところが中古車なら1000万円以下で手に入る、SLS AMG譲りのテクノロジーを受け継いだモデルが、実はありました! それが、2013年8月から日本でも発売された先代Cクラスのスペシャル仕様『C63 AMG エディション507』です。

6.3リッターのV型8気筒エンジンに加え、鍛造ピストン、コンロッド、軽量なクランクシャフトなどなど、SLS AMG譲りの当時最新技術が盛りだくさん。「普通の」C63 AMGに対して最高出力は50PSも引き上げられて507PSに達するというのですから、そりゃもう遅いワケがありません。当時の新車価格は約1200万円〜ということですが、中古車としては約700万円チョットのプライスタグをつけた物件も見かけられました。これってかなりお買い得ではないでしょうか。アグレッシブなルックスはもちろん、しっかり4ドアっていうところも実用性が高くて、本当に魅力的な1台です。

ルックスにも、スペシャルな香りがぷんぷん。たとえCクラスとは言え、ただものではないのです。