速さが全てだ、と思ったことは実は一度もない。
それは確かに猛烈な加速やパワーにはいつだって憧れるさ、男だからね。
しかし、その気にさせるのは、轟く排気音であったり、寒風の中で佇む美しいシルエットだったりする。
速ければいいというのなら、ネイキッドには乗らないし、ましてや旧車なんて選ばない。
ZIIには、なにものにも変えがたいテイストがある。世の中にはうっとりするほど美しく妖しい魅力を持つ乗り物は、数多くある。あるにはあるが、愛馬として選ぶのなら、やはりZIIの他にはない。そう思えてならないことの幸せを、誰かに説明することができたなら!