40年前のクラシックバイクに乗るということは、久しぶりに大型二輪にカムバックした僕にとっては、かなり大きなストレスを抱えることでもある。

クラッチは重く、ブレーキは利かない。
車間距離を十分とったつもりでいても、急制動には想像していた以上の恐怖感がある。

今日は仕事を早く終え、いろいろとわだかまるさまざまな物事を、一時でも振り切りたくて、夜の街をアテもなく走った。文句なしに気持ちはいい。冒頭で古いバイクだと否定的な物言いをしたものの、やはり750ccのバイクだけに、ワイドオープンにスロットルを開ければ、暴力的な加速を楽しむことはできる。もちろん、最新のバイクとは比べられないほどの鈍重さは隠せないが、それでも力強さと轟音はさすが空冷Z、とヘルメットの奥でにんまりできるものだ。

しかし、やはり不安が残るのはブレーキ。
まだカラダがZIIに慣れていないということもあるが、十分に車間距離をとり、余裕をもってブレーキングしたつもりが、前方の車がブレーキランプがまるでこちらに殺到してくるかのような勢いで近づいてくる。

ここはWディスク化するか、そこまでいかなくても制動力の強化は、一刻も早くするべきかもしれない。もちろん、自分自身の慣れと、腕を磨き直すことで対応するべきことかもしれないとも思うのだが。



ともあれ、日常の小さな隙間時間を選びながら、ZIIにまたがる時間を作っている。
僕の生涯最後のバイクとなるだろうZII、初恋の相手でもあるZII。いま彼女との付き合いは始まったばかりだ。不満も期待もすべてポジティブにとらえながら、関係が融けていく時間を楽しまなければ。