近年注目度が高まっているハードエンデューロの人気イベント、「レッド ブル ルーマニアックス」の2025年大会(7月22〜26日)に、「eMoto」という電動車対象の新クラスが創設されることが発表されました。トライアルやモトクロスの世界では、すでにその活躍ぶりが伝えられている電動車ですが、これからはエンデューロ界でも存在感が増していくかもしれません?

伝統あるイベントに新たな歴史が刻まれることに

WESS(ワールド エンデューロ スーパー シリーズ)が成立したのが2018年、そしてFIM(国際モーターサイクリズム連盟)のハードエンデューロ世界選手権がスタートしたのが2021年です。レッド ブル ルーマニアックスはそれらシリーズ戦がはじまるはるか前の2004年より、ルーマニアのシビウで開催されてきました。

5日間、過酷なルート設定で競われるルーマニアックスですが、来シーズンの2025年から電動車を対象としたクラスが新設されます。クラス名は「eMoto(イーモト)」。熟練の強者対象のエキスパートと、トレイルランを楽しみたい人向けのホビーレースの2つに区分されています。

来夏とだいぶ先の話ではありますが、どれだけのライダーが電動車でルーマニアックスに挑むことになるのか、エントリーリストが明らかにされる日を楽しみに待ちたいですね!

今年のレッド ブル ルーマニアックスは、FIMハードエンデューロ世界選手権第4戦として開催され、マヌエル・レッテンビヒラー(KTM)が制覇しました。なお彼の父アンドレアスも、2009年にこのイベントの王者になっています。

www.ktm.com

あのスターク フューチャーが、エンデューロにも力を入れています!!

先日お伝えしたとおり、英国アリーナクロス選手権でICE(内燃機関)搭載車を抑えてチャンピオンになったスターク フューチャーは、モトクロス同様にエンデューロにおける電動車参戦にも熱心です。

上掲の記事の「バトル オブ バイキング」での勝利に続き、スターク フューチャーの電動モデル、バーグを駆るエディ カールソンは8月にドイツで行われた「エンデューロクロス カイザープファルツ」にて優勝しています。3位にもスターク フューチャーのエンデューロ開発に協力するタディ・ブラズシアクが入り、2台のバーグを表彰台の前に並べることに成功しました。

左からT.ブラズシアク、E.カールソンのスターク フューチャー勢。なお2位にはベータのファクトリーライダーであるドイツ人、ティム アポルが入賞しました。

starkfuture.com

2007年にトライアルからエンデューロに転向したT.ブラズシアクは、エルツベルクロデオ、FIMスーパーエンデューロ世界選手権、AMAエンデューロクロス選手権、そしてXゲームスなど数々のビッグイベントで活躍した名手ですが、近年はスターク フューチャーの電動エンデューロ車開発に大きなモチベーションを覚えて活動しているようです。

先日スターク フューチャーは同社のYouTubeチャンネルに、ブラズシアクがバーグの6.5kWhバッテリーをエンデューロ向け48馬力、50%回生ブレーキのセッティングでどれだけ早く電欠させるか・・・という興味深い動画がアップされていました。

6度世界エンデューロ王者となったT.ブラズシアクが、これだけハイスピードでオフロード走行をしても、これだけバッテリーが持つわけですから・・・ホビーライダーの場合なら相当の距離と時間を走ることができることがわかるビデオです。

youtu.be

今のところスターク フューチャーの活躍のみ目立っていますが、電動車のポテンシャルが競技の世界でアピールされる機会が増えれば、ほかのブランドからの参戦も期待できるでしょうね!

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