去る9月14日、全米最高峰プロシリーズ・AFT: アメリカンフラットトラックの今期最終ラウンド・ミズーリ州レイクオザークでのショートトラック戦が開催されました。スーパーツインズクラスの年間王者となったのは、インディアンFTR750を駆るジャレッド・ミース。アンチも相当数いますが2009年に初王者となって以来、15年間で10回のタイトルを獲得した G.O.A.T. = Greatest Of All Time とも評される彼ですが、750ccの競技専用エンジン車が一斉に退役する今シーズンの終幕と時を同じくして、現役を引退することを発表しました。

なんかホントに "End of an Era = 一時代の終わり" って感じ・・・

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTS "レースプロモーター" のハヤシです。実を言いますと筆者、ジャレッドが初チャンプを獲得した2009年のAMA・GNC: Grand National Championship最終戦、カリフォルニア州ポモナの1000m競馬場で行われたハーフマイル戦の現場に行ってまして・・・優勝したのは17 ヘンリー・ワイルスでしたけど、5位で終えたジャレッドが初チャンプ、彼を含め日本製の GREEDY Racing Leathers を纏ったライダーが決勝18台の半数以上を占めていたり、ハーレーダビッドソンの準ファクトリー的位置づけのライダーが4人も居たり・・・とにかく (今より) 華やか・賑やかな雰囲気だったことをよく覚えています。

ブラッド・ベイカー、テクスター兄妹、ジェフリー・カーヴァーなんかもプロライセンス取れたか取れないか新進気鋭のティーンエイジャーの年頃で、ジーン・ロメロが主宰するカリフォルニアのローカルシリーズと併催だったため、初めての2気筒マシンでのレースにトライする若手ライダーも多くいたりして。15年経ってみると大多数のライダーがすでに最前線から身を引いて、世代交代もずいぶん進んでいる印象ですが、その中にあってずーっと表彰台圏内で戦いつづけてきたジャレッド。特に彼を応援してきたわけでもないんですけどね・・・いよいよその時が来たかぁ、という大きめのインパクト。来期もこれまで同様の熱量でAFTをチェックできるか自信がありません。なんて。

ジャレッドとそのチューナー、ケニー・トルバートはズルしてナイショの脱法チューニングを施したからこそ勝ち続けた、などと喧伝する層も実は相当数いるんですが、そんなことを10年も続けてこられるわけもなく、弛まぬ努力と研鑽と研究の成果だと思うんですがね。そりゃあ確かにパドックで他のライダーのヘルメットにつかみかかったり、目の前で転んだライダーのアタマを乗り越えてレース続行しようとしたり、めちゃくちゃ荒っぽいのは確かなんですけど・・・真にGREEDY (貪欲) なライダーなのは間違いありません。

スッパリ引退してもヒッソリ隠居などはしなさそうですけどね

数年前からAFTシリーズ中の数戦で、出場しながら自らプロモーターとしてレースイベントをハンドリングしてきたジャレッド、今後はそちらサイドでの活動をメインに据えるようで・・・

迷走するAFTシリーズへのテコ入れとか、新シリーズを完全に別でおっぱじめる? (あくまで噂です) など、これからも彼のアグレッシブなキャラクターに期待できることは色々ありそうですよ。

今日のAFT、コンプライアンスの関係で?ウィニングランの同乗者は最低でも半キャップ型自転車ヘルメットを被る公式ルールがあるようなんですが、これっきりで引退しちゃうしそんなの関係ねぇ!てな具合で思い切りぶっちぎる王者。次戦ペナルティとかポイント減算とかされても文句なしで勝っちゃうあたりも嫌がられる理由のひとつなのかもしれません。筆者はきらいじゃないですけど。

寂しくなるね!
ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!