世界的に権威のあるデザイン賞のひとつ「レッド ドット デザイン賞」のプロダクトデザイン部門において、ホンダの電動2輪の2モデルが選ばれました。ホンダ製品が「レッド ドット賞」を受賞するのはこれで5年連続となりますが、みなさんはこれがどんな賞なのかご存じでしょうか?

電動2輪のほか、ホンダの船外機と芝刈機も受賞しています

今回、ホンダ製品としてレッド ドット賞を受賞したのは4点で、2輪は電動スクーターの「EM1 e:」と「Motocompacto」の2機種です。

原付一種の電動スクーター、EM1 e:は、交換式バッテリーのHonda Mobile Power Pack e:を1個使用。価格は32万100円です。

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1981年に発売された「モトコンポ」をモチーフに、現代の2輪EVとして企画された「Motocompacto」。折りたためる構造になっており、クルマのトランクなどの収納が容易になっています。

motocompacto.honda.com

「BF350」は、V8エンジンによって最大出力350馬力を発生する、ホンダ船外機のフラッグシップモデルです。

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「Miimo」はホンダのロボット芝刈機。電動で自走するので、人間の手を使わずにいつでも庭の芝をキレイに刈ってくれる優れものです。

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ちなみに2020年以降のホンダ2輪の受賞を列挙すると、2020年は「CBR1000RR-R 」、2021年は「フォルツァ750」、2022年は「NT1100」と「ADV350」、2023年は「XL750 トランザルプ」、「CB750 ホーネット」、「ADV160」、「CBR250RR」・・・となります。

レッド ドット デザイン賞の歴史

レッド ドット デザイン賞はそもそも、1954年にドイツで創設されたフェライン インダストリエフォルムにルーツがあります。この協会は第2次世界大戦後の時代、ドイツの消費財を近代化し、輸出に適したものにすることを目的に生まれました。

1955年には最初のデザインコンペがドイツのエッセンで開かれ、世界的な注目を集めることに成功。1990年には旧名からノルトライン ヴェストファーレン デザインセンター(DZNRW)に名称を変更することに伴い、新しいロゴ・・・レッド ドットが1991年にデザインされました。

初期のロゴ。ドイツ語の「ロート プンクト」は、英語で「レッド ドット」となります。

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2000年からは現在のロゴが使われることになったレッド ドット デザイン賞は、「プロダクトデザイン」、「ブランド & コミュニケーションデザイン」、「デザインコンセプト」の3カテゴリーで構成されており、そのなかで最も古くからあるプロダクトデザインはさらに51カテゴリーに細分され、主に工業製品を対象に、デザインの革新性、機能性、耐久性、人間工学など9つの基準から審査されています。

「宣伝」と「権威主義」のバランスは、難しいですね?

レッド ドット デザイン賞の受賞者は証明書を受け取るとともに、製品の広報活動にレッド ドットのロゴを使用することが許可されます。今回のホンダの例に限らず、さまざまな工業製品の宣伝に「レッド ドット デザイン賞」のロゴと、受賞したことの報告を見たことがある人は、少なくないでしょう。

レッド ドットのロゴ。ドイツ語の「ロート プンクト」から、英語に改名されたのちに、この新しいロゴが使われるようになります。

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いわゆる、権威からもらった「お墨付き」という性格があるレッド ドットですが、工業製品の真の評価というものは、最終的には消費者個々人に委ねられるものといえるでしょう。設計としてのデザインがいかに優れていても、市場に受け入れられず短命に終わった製品は少なくありません(特に趣味商品である2輪車は・・・)。普及途上期にある電動2輪車の、「EM1 e:」と「Motocompacto」にとってレッド ドット デザイン賞がどれだけ箔を付ける効果を及ぼすか、ちょっと気になりますね。