暮れも押し迫ってきましたがあちらのレース界では来期に向けた諸々がさっそく動き出しています。ハーレーダビッドソン社は来期2024シーズンのレーシングコンティンジェンシー・プログラムを数日前に発表。キングオブバガーズ・スーパーフーリガンというアメリカらしさ満点の2大ロードレース・カテゴリーと (一応?) AFTスーパーツインズを対象に、総額57万ドル以上の提供を準備。決勝に残らないと、1〜10位内に入らないと、が条件だったりするのでまぁ、絵に描いた餅、ですけどね。

"ハーレーファン"的にはキングオブバガースへの注目度がやはり高そうです

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。フェアリングとスクリーンと純正サドルバッグの装着が義務付けられ、フレームの変更なども制限される "キングオブバガース" ・・・ツアラータイプの市販車 (ロードグライド改) でギンギンにヒザやらヒジやらサドルバッグを路面に擦りながらロードレースする、という一見珍妙な、しかし非常にアメリカ的なこのカテゴリーは、スタート以来爆発的な人気となっており、HD社は同カテゴリーにのみファクトリーチームを投入。コンティンジェンシー総額のおよそ半分をこちらに投入する熱の入れようです。まぁ現状、宿敵インディアンと真っ向勝負できるのはこの分野だけみたいですし。

どう考えてもスポーツ向きでないデカブツを工夫を凝らして調整し、車体を軋ませて疾走する様に大きな声援を送る・・・オープンホイールよりストックカー (NASCAR) の人気が高い彼の国らしいアイディアです。来期のファクトリーライダー2名、カイル・ワイマンとジェームズ・リスポリは、いずれもダートトラックをホームグラウンドとして育ったライダーです。

いつの間にアップハンドルのロードレース・カテゴリーになった?

元々は市販車Vツインでショートトラックをグルグルして競う・・・という企画だったはずのスーパーフーリガン、発案者で元プロ・ロードレーサーのローランド・サンズの肝入りか、気がつけばモトアメリカ・スーパーバイクシリーズの1カテゴリーとなり、HD社はここにも15万ドル近い賞金を用意。ダートトラックファン的には、AFTからのファクトリーチーム撤退とか頼りないニュースしか耳に入らないかもしれませんが、近年急成長を遂げているアメリカ独自の2カテゴリーにバーンと張る同社の姿勢は、当然の有り様なのかもしれません。ドラッグレースはどうなってるんでしょうね?

競える現行マシンがない気もしますが・・・AFTには19万ドルくらい!

さてお待ちかねのAFT・全米プロダートトラック選手権のスーパーツインズクラスですが、ファクトリーチーム亡き今、個人的なXG750R、あるいはXR750による決勝進出・10位以内入賞が賞金獲得の必須条件となります。何台か出てくる・・・と信じたいなぁ。そういえばエンジン外観はXG750Rによく似たインド製のストリート750って車種もいつの間にか静かに生産終了してましたね・・・。

一世風靡してポディウムを独占してきた、インディアンFTR750の優位性も (レギュレーションでの締め付け強化・純正パーツ供給も先細りに?) だいぶ揺らいでいる昨今、次世代のチャンピオンマシンはどのメイカーのものになるのでしょうか?引き続き目が離せませんね!

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!