たとえ1周100m級、なんなら1回転んで起き上がっても10秒以下で周回できるみたいなタイニーでミニマムなスペースであったとしても、フィニッシュラインあたりの走路幅が一定以上確保され、直線部とターンが明確に走り分けられる細長いオーバルシェイプを目指して路面を作り込んでいけば、そこは競うための場 = "レーストラック" と呼べるものになっていくはずです。

え〜ココ6台並べる?・・・じゃなくギチギチでも6台押し込む、のです

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーター、でベリーショートトラック激推し派のハヤシです。先週の当コラムでご紹介した、屋内空間での小さなダート/コンクリートショートトラックが一部で話題沸騰?だったようなので、今週も引き続き極小オーバルに注目してみましょう。めっきり寒くなる時節、本場アメリカではスパイクタイヤでのアイスレース同様、インドアショートトラックのハイシーズンもこれからはじまります。

アメリカ西海岸北部ワシントン州、シアトル近郊の町Puyallup = ピュアラップ (・・・読めない) にあるワシントンステート・フェアグラウンドにある屋根付きの多目的アリーナでは、毎年冬になるとダートトラックが整備され、複数の主催団体が週代わりでオーバルやTTレースを開きます。

小さなトラックだから排気量や台数を制限して・・・という考えは彼らには微塵もないようで、コース幅およそ8mのところ、6台 x 2列でのスタートは当たり前。ちびっ子たちのためにはもちろんランバイクや50・65・85ccのクラスがありますが、主力となるオトナクラスはやはり450cc。あとはオリジナリティ溢れる改造範囲無制限系?の空冷150〜230ccとか2気筒1000cc級ストリートバイクとか各年代のヴィンテージクラスとか、ローカルイベントらしくフルラインナップが揃います。

しっかり直線部分があるトラック、走りにメリハリが生まれます

Puyallup flattrack round 3 65/85cc main

youtu.be

ちびっこ65/85ccクラスなら車格が小さいのでだいぶスペースに余裕がある感じみたいですね。

Puyallup Flat Track Pro-Am main @kfgmotorsports Feb 11 2023

youtu.be

こちらはプロ・アマ混走の450ccクラス。レーススタート〜ターン1までの混乱はトラックサイズに関係なく生じるものですし、アベレージスピードからの速度変化が大きくない "丸に近いオーバル" に比べれば隊列が分散するのが早く、抜きつ抜かれつの展開をそこここで同時多発的に目にすることができるのも、安全面・観戦面いずれにおいても良い傾向です。

年がら年中、同じことを繰り返すのではなく、コンディションに応じて楽しみ方と競い方を変容させる本場のスタイル、はっきり四季の明確な我が国でも取り入れてみてもいいのかもしれませんね。

ではまた次週、金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!