2019年の創設から、来期で5シーズン目に突入する電動車によるロードレース選手権"MotoE"ですが、2023年度はこれまでの「FIM エネル MotoE ワールドカップ」から、「FIM エネル MotoE 世界選手権」と名称を変え、世界選手権に格上げされることに! また2023年シーズンは開催数が増えるとともに、ついに海を渡り欧州大陸以外の地でレースが行われることになりました。

2023年度は、初の英国での開催が決まりました!

2019年の初シーズン以来の、MotoEの4シーズンはすべてのレースが欧州大陸内で開催されてきました。いつでもどこでも、レース用燃料を充填すれば走ることができるICE(内燃機関)車に対し、電動のMotoEレーサーはサーキットに十分な充電環境が用意されていないとと走らせることができません。

MotoGPと併催されるMotoEですがMotoGPが欧州以外でも開催されているのに対し、MotoEはインフラやロジスティックスなどの問題から、2019〜2022年の間、欧州のみでの開催に留まっていました。しかしこの度公表された2023年度スケジュールによると、8月4〜6日に英国シルバーストーンでの開催が決まり、初めてMotoEがドーバー海峡を渡ることが明らかになりました。

旧RAF(英空軍)基地のあった土地を活用して生まれたシルバーストーンサーキット。マン島に代わり、シルバーストーンサーキットで世界ロードレースGP(現MotoGP)が初開催されたのは1977年であり、ドニントンパーク開催の1987〜2009年以外は、英国GPの舞台として数々の名勝負が繰り広げられてきました。

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世界的にも著名な高速サーキットであるシルバーストーンサーキットで、2023年度からワンメイク車両として採用されるドゥカティV21Lを駆るMotoEライダーたちが、どのようなバトルを繰り広げるのか今から楽しみです!

レースの開催数は大幅に増加!! 王者争いにどのように影響するか、気になります

2019年・・・MotoE最初のシーズンに開催されたのは4ラウンド・6レース。2020年と2021年はともに6ラウンド・7レース。そして今年2022年は7ラウンド・14レースと、一気に前年度の倍のレース数が当初カレンダーに記されていましたが、7月のフィンランドの2レースがキャンセルされたために、結局6ラウンド・12レースが開催されることになりました。

2023年度からMotoE用の車両として提供されるドゥカティV21L。2019〜2022年に採用されたエネルジカ エゴ・コルサより軽量に作られているため、電動ロードレーサーとしての戦闘力が向上していると予想されます。

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世界選手権となって初の、2023年シーズンのカレンダーは8つの会場と16のレース数と一気に規模が拡大することになりました。まず年が明けてからの3日間のプレシーズンテストを2回開催(3月6〜日スペイン・ヘレス、4月3〜5日スペイン・カタルーニャ)。

その後フランスで開幕戦をむかえ、6月のオランダがサマーブレイク前の最後の一戦となります。サマーブレイク後の初戦は初開催の英国となり、9月のサンマリノが最終戦の舞台・・・というのが大まかなスケジュールです。

開催日会場開催レース数
5月12日~14日フランスル・マン2レース
6月9日~11日イタリアムジェロ2レース
6月16日~18日ドイツザクセンリンク2レース
6月23日~25日オランダTTサーキット アッセン2レース
8月4日~6日英国シルバーストーン サーキット2レース
8月18日~20日オーストリアレッドブルリンク-シュピールベルク2レース
9月1日~3日カタルーニャバルセロナ-カタルーニャ2レース
9月8日~10日サンマリノミサノ ワールド サーキット マルコ・シモンチェリ2レース
2023 FIM エネル MotoE 世界選手権暫定カレンダー

初の世界選手権王者となるのは誰か? そしてドゥカティV21Lのパフォーマンスはどれほどのものか・・・などなど、見どころ十分な来シーズンのMotoEの開幕を楽しみに待ちましょう。余談ですが個人的には、2024年以降のより一層のワールドワイド化・・・日本ラウンド開催にも期待しています。