6月17〜19日に開催されたトライアルGP第2戦アンドラは、最高地点海抜1,600メートルの高地というアンドラ公国のサン・ジュリア・デ・ロリアで開催されました。前戦スペインでは暑さに多くの選手が苦しめられましたが、アンドラは高気温に加え超挑戦的なセクション設定により、前戦以上に過酷な戦いを選手たちに強いたようです。

今大会も、EMのG.シャタヌが唯一の電動車でのエントリーとなりました

今シーズンからトライアルGPは、最高峰のトライアルGPやその下のクラスのトライアル2への、電動車の参戦を認めることになり、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が統括する世界選手権としては初めて、電動車とICE(内燃機関)搭載車の"ガチ勝負"が繰り広げられることになりました。

もっとも、現時点で電動車でのレースキャンペーンを展開しているのは、トライアル2に参戦しているフランスのEMのみで、同社のエースライダーであるガエル・シャタヌが孤軍奮闘しているかっこうです。なお日本のヤマハ発動機も、電動車「TY-E 2.0」での挑戦を計画しているとのことなので、早くその戦う姿を世界選手権で拝みたいものです。

強力なライバル勢相手に、果敢に戦いを挑むEM

6月18日のDAY1は、1ラップ目で減点5、2ラップ目は減点3という好成績で、英国のビリー・グリーン(スコルパ)がキャリア初優勝を記録しました! 前戦のDAY1では4位、DAY2は13位で、総合7位となったG.シャタヌは合計5度も減点5をしてしまったことがたたり、DAY1は減点33の14位にとどまりました。

6月19日のDAY2は気温が前日よりもわずかに涼しくなり、ベータ・ファクトリーチームのロレンツォ・ガンドーラが1ラップ目と2ラップ目をともに減点1のみの合計2点で走り抜け見事優勝しました。なお2位はガンドーラの僚友であるソンドレ・ハーガで、こちらも減点4という好成績でした。

G.シャタヌは前日の不振を挽回すべく奮闘しましたが、減点11の8位でDAY2を終了。昨年度限りで終了した電動車のみのトライアルEでは幾度も勝利を味わったG.シャタヌですが、欧州の名門メーカーが覇権を争う激戦区のトライアル2はレベルがトライアルEよりも数段高いですから、頂点に達するのはなかなか容易なことではないでしょう。

アンドラGPのトライアル2で、セクションに挑むG.シャタヌ(エレクトリックモーション)。

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トライアル2の2戦終えてのランキング争いは、パブロ・スアレス(モンテッサ)が65ポイントで首位をキープ。G.シャタヌは26ポイントで、ランキング10位となっています。次戦ドイツGPは、ザールランド州ノインキルヒェンにて7月8〜10日に開催されます。EMとG.シャタヌのパフォーマンスに期待しましょう!