インディアン排斥不能・3クラス制失敗?どうするどうなる新クラス分け?
WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。2017シーズンから今日まで破竹の快進撃を続けるインディアンFTR750 (デビュー戦は2016最終戦サンタローザ・マイル) 。ハーレーダビッドソンXR750やホンダRS750Dがすでに戦いの最前線から離れ、新型水冷ハーレーXG750Rが未だ発達途上 (のままファクトリーチーム活動終了・・・) である昨今、唯一無二の "ダートトラックレース専用エンジン車" として君臨し続けているわけですが、実は車両本体価格が高額なことからユーザー数は頭打ち、他車種じゃ勝ち目がないから総エントリー数は停滞、これ以上のマーケットの拡がりや他社との競合がないならとメイカーも新規コンプリートマシン生産をストップするなど、まさに三すくみの状況です。
"2気筒トップカテゴリー + 単気筒450ccサポートクラス" という従来の枠組みで、上位クラスがインディアンに独占され、エントリー台数が減り始めたことに気づいたAFTは、カワサキ・ニンジャ650、ヤマハ・MT-07などの市販車エンジンをダートトラックレース専用フレームに搭載したいわば "廉価版スペシャリティマシン" による新カテゴリー "プロダクション・ツインズ" を数年前に新設。今年の開幕ラウンドには両ブランドのほか、ロイヤル・エンフィールド650、ハーレーXG750R、KTMデューク890も登場し、出走予定21台となるなど、まぁまぁ活況の片鱗を見せ始めてはいます。
この方向性に光を見出したAFTは、来年2023シーズンにはスーパーツインズとプロダクション・ツインズを再統合、"別々でやってみたけどイマイチだった。やっぱ元に戻すわ" と正式に発表。それに変わる第3のコンテンツとして、純然たるストリートバイク改造車でのフーリガンカテゴリーや女性ライダーのみによる "Build. Train. Race." カテゴリーなどをラウンドごとに加える方針を明らかにしています。悪く言えばちょっとイロモノ?埋め草扱い?・・・ですけどね。
"インディアンたのしくない。もうレースやめた" と言われないように・・
来期からの2気筒クラス再編に向け、競技専用エンジン車と市販エンジン車とのパフォーマンスに最も不公平感の少ない落としどころを探る試みと議論は、未だ最終的な結論までは出ていないようですが今シーズンオフにも続けられています。
次週開幕する2022シーズンでは、プロダクションツインズクラスの決勝トップ4フィニッシャーは、直後に行われるプレミアクラス・スーパーツインズの決勝にも出走し、性能差を埋めるためのレギュレーション策定に向けた情報収集が図られることになるようです。LIVEストリーミングの都合で休憩もなく続けざまに走らされたりしたらちょっと気の毒ですけど・・・。
かてて加えて、今期スーパーツインズのマシンは最大で20%近い出力低下が見込まれる吸気リストラクタープレート (上写真の青いリング状の部分) の追加、市販エンジン車より9kg重い最低重量 (149kg) 、メイカー出荷時からのフライホイール等回転マス重量変更不可、無駄な後輪の空転を減らせて有利なリアホイール重量化も市販車より最低3.5kg以上軽くないとダメ・・・などなど、まさに手枷足枷のレギュレーション変更が多数見受けられます。シーズン途中でも何か変更あるかも?
ここまで来ると、文字通りダートトラック界に世界最速のマシンを送り込んだインディアンモーターサイクルズ社としては、このスポーツに目的意識を保ち続けることがなかなか難しいのじゃないでしょうか?ハーレーと台数半々くらいだったうちはイジメ的レギュレーション変更に対処・対抗することが必要でしたが、彼らにとって今失われつつあるのはAFT参加の大義、なのかもしれません。
ダートトラック最強イメージを纏って鳴り物入りで発売された公道マシン・FTR1200も、いつの間にやら前後17インチロードタイヤ履かせたネイキッドスポーツ車?みたいにコンセプトチェンジしちゃいましたし・・・。これ以上インディアン迫害して戦意喪失させるより、他ブランドにガンガンハッパかけたほうがいいんじゃないでしょうか?
誰が速いか勝ったのか?ももちろん気になりますが (筆者は有料中継見ちゃうはず) 、こうしたリング外?の部分も気がかりの多くなりそうな今シーズン、やはり追いかけるしかないでしょうね。
ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!