1月21日、台湾のスクーター最大手キムコの電動スクーターブランドであるアイオネックスは、バッテリー交換ステーション網である「アイオネックス3.0スワップステーション」を2,000ヶ所設置、そして電動スクーター専門店の「アイオネックスストア」100店舗建設を達成することを、2022年に達成すべき2つの目標としてかかげました! 台湾の電動スクーター市場における、PBGN(Gogoro連合)とアイオネックスの激しいシェア争いは、昨年に続き激しいものになるのでしょう・・・。

アイオネックスの「スワップステーション」の数は、ついに1,000の大台を突破!!

キムコのアイオネックスは、2021年3月に最新の電動スクータープラットフォームである「アイオネックス3.0」を発売。そして同年8月から本格的に、台湾全土にバッテリー交換ステーション網の「スワップステーション」の建設をスタートさせました。

2021年度に打ち立てたアイオネックス3.0スワップステーションの建設数は、1,000!! という驚異的な目標値でした。COVID-19パンデミック対策の優良国である台湾も、2021年は国外からのウイルス侵入を許したことで市中感染の被害に遭ってしまい、アイオネックスのステーション網整備の進捗に影響を与えることになったそうです。

しかし困難を乗り越え、台湾南部の観光島として有名な琉球郷に、1,000ヶ所目のスワップステーションの建設をアイオネックスは見事に達成。なお今年1月21日時点で、その数は1,068ヶ所! まで増加しているそうです。

1月21日、台湾東部の花蓮でのアイオネックスのサービス提供開始を発表するアレン・コー(キムコ会長)。その記者会見の席で2022年の目標・・・アイオネックススワップステーション2,000ヶ所、電動スクーター専門店のアイオネックスストア100店舗建設、も公表しました。

www.ionex.com.tw

さらにアイオネックスはスワップステーションの数を、今年中に2,000まで増やすことを目指すとともに、2022年度のアイオネックス規格スクーターの販売目標を、2021年度販売台数(推定3,000台)の5倍!! にあたる1万5,000台に設定! そして2021年は約30店の展開だった専門店「アイオネックスストア」の数を100店舗まで増やす!! と、昨年以上の急成長を目標としてブチ上げています。

KYMCO Ionex 邁向1000站

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台湾ではバッテリー交換ステーションの数が、ガソリンスタンドの数を上回ることに・・・!?

一方・・・これまでの7年間で台湾のステーション網整備に努めてきたPBGN(Gogoro連合)のGoステーションの数は現在2,274ヶ所(建設中含む)であり、今年中にアイオネックスがスワップステーション2,000ヶ所という目標を達成したとしても、まだステーション数では優位に立てることになるでしょう。

ただ、台北時報(タイペイタイムス)の1月12日の報道によると、昨年度のアイオネックスの"猛攻勢"により、PBGN勢の新車販売は前年(2020年)比5.2%減の9万3,999台まで落ち込み、売上高は前年同期比で21.9%も急落してしまったそうです・・・。なお同報道では、台湾市場のシェア争いにおけるアイオネックスへの反撃として、Gogoro、台湾ヤマハ、イオン、台鈴(スズキ)などは今年新たなPBGN規格準拠の電動スクーターを発売する予定、とも伝えています。

PBGNとはパワード バイ ゴゴロ ネットワークを略したもので、現時点で世界最大のバッテリー交換プラットフォームであるGogoroネットワーク互換性が与えられた電動スクーター群のことです。PBGNにはeムービング、PGO、イオンモーター、eレディ(台鈴)、台湾ヤマハなどが加わっており、45万3,300人の利用者はコンビニエンスストアのセブンイレブンなどにあるGoステーションで、バッテリーを交換することが可能です。

www.gogoro.com

余談ですが、台湾の電動スクーター用バッテリー交換ステーションの話題をひとつ・・・。1月11日、Gogoroのエネルギーサービス担当副社長であるアラン・パン(潘璟倫)は記者会見で、「今年末までに、台湾全国のバッテリー交換ステーションの数が、ガソリンスタンドの数を超えると確信している」と述べています。

台湾大手の台灣中油と台塑石化が運用するガソリンスタンドの数は2,487店であり、アラン・パンのコメントはその数をPBGNのGoステーションが追い抜くということを意味していますが、現時点のGoステーションの数(2,274ヶ所)とアイオネックススワップステーションの数(1,068ヶ所)を足せば、すでに両陣営のバッテリー交換ステーションの数は、台湾にあるガソリンスタンドの数を上回っていることになります。

PBGNとアイオネックスの台湾電動スクーター市場での激闘は続きますが、上述の"事実"が示すとおり、両陣営の熱い競争が"電動時代"へ向けてのインフラ整備を加速させていることがわかります。世界が今後どのように電動化へ向けて変化していくのか・・・未来予想するサンプルとして最適な台湾情勢を今後も注視していきたいです。