バッテリー交換方式という、現時点の電動スクーターの"最適解"、または"定型"を生み出したトレンドセッターが台湾のGogoro社です。そんな"勝ち組"のGogoroと提携する2輪メーカーは数多いですが、そのひとつであるヤマハは今年の3月から、Gogoroとの協業第2弾となるモデルを発売することを発表しました。

台湾で圧倒的なシェアを誇るPBGN・・・Gogoro連合!!

電動スクーターに関心がある方は、一度くらい"PBGN"という言葉を耳にしたことがあると思います。PBGNとはパワード バイ ゴゴロ ネットワークを略したもので、現時点で世界最大のバッテリー交換プラットフォームであるGogoroネットワーク互換性が与えられた電動スクーター群のことです。

PBGN・・・Gogoro連合には、eムービング、PGO、イオンモーター、eレディ(台鈴)など多くのメーカーおよびブランドが参画していますが、ヤマハもそのひとつであり、Gogoro市販車をベースとした電動スクーターのOEMモデル「EC-05」を、2019年に発売しています。

ファンライディングを意識した、新感覚電動スクーター

ヤバいよヤバいよ・・・でおなじみの某人気番組で活躍するE-Vinoを除けば、ヤマハ製電動モデルには「EC-数字」の車名が使われてきましたが、この度発表された新作はその命名法則? から外れた「EMF」という車名が与えられています。

またEMFはEC-05とは異なり、Gogoroデザインキットをベースに現地法人のヤマハ モーター R&D 台湾が車体設計を行い、ヤマハ モーター 台湾が生産と販売を行います。もちろんEMFは、Gogoroが台湾国内に整備するバッテリー交換ステーションである「Goステーション」を利用できます。

EMFの特徴は実用性が重視される電動スクーターながら、"ファンライディング"要素を盛り込んだところです。Intriguing(魅力的)、Radical(過激)、Superior(優良)というコンセプトでスタイリングをまとめており、スポーティーさを全身でアピールしています。

同門であるPBGN、そしてPBGNと激しく戦うキムコのアイオネックスと、台湾の電動スクーター業界は群雄割拠状態が続いていますが、ヤマハはファンライディングという個性をEMFに与えることで、ライバルたちとの差別化を図っているわけです。

ねじり剛性を確保しつつ軽量化されたフレームは、ハンドリングと乗り心地を向上させています。

www.yamaha-motor.com.tw

フロントには対向4ピストンラジアルマウントキャリパーと、200mmディスクを装備。なおリア側のディスクは190mmです。

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剛性に優れるリアスイングアームは、大型モーターサイクル用をベースに設計。駆動はチェーン方式です。

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携帯性に優れる、カード型のスマートキーを採用。

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"Y-コネクト TWN for EV"という専用アプリを用意し、スマートフォンとのコネクティング技術を採用。電池残量、駐車場所、ナビゲーション、車両の状態診断など、さまざまな機能を使うことができます。

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さらにEMFには、オーナーになる人が自分の好みでカスタムできるように、さまざまなアクセサリーが用意されるとのことです。EC-05もSFチックなPVを制作していましたが、EMFも"アンロック ザ フューチャー"というコンセプトでSFチックな路線を踏襲するPVに仕上げられています。ぜひご覧になってください。

UNLOCK THE FUTURE:「EMF」 | Yamaha Motor Taiwan 台灣山葉機車

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ヤマハ EMF 主要諸元
モーター G2アルミ抗菌水冷永久磁石同期電動機 最高出力 7.6kW/3,000rpm 最大トルク 26Nm/2,500rpm 0-50km/h加速 3.5秒 駆動方式 チェーン バッテリー
寸法・重量 全長x全幅x全高 1,740x765x1110mm ホイールベース 1,305mm シート高 785mm ブレーキ 前 200mm径ディスク 後 190mm径ディスク タイヤサイズ 前 100/90-10 後 130/70-10 乾燥重量 93kg