2018年のEICMAに登場し、多くの人の注目を集めた電動バイク「アーク・ベクター」が、紆余曲折を経て生産段階に入りそうです! はたして無事に来年以降、市販まで漕ぎ着けることができるのかどうか・・・注目しましょう!

クラウドファンディングの成功、破綻・・・そして再生へ!

元ジャガーランドローバーのマーク・トルーマンが設立した「アーク・ビークルズ」は、2018年からの3年間、「波瀾万丈」のタイムラインをその社史に刻むことになりました。2018年EICMAで公開された同社の電動バイク「アーク・ベクター」は、その斬新なデザインと高品質なスタイリングが評判を呼びました。

さらにユニークな試みとして、アーク・ベクターと組み合わせて使用する、ヘッドアップディスプレイを組み込んだヘルメットや、ゲーム機のコントローラのように振動することで乗り手に危険を伝えたりするライディングジャケットを用意。単なる電動バイクではない、未来の乗り物としての魅力をアピールしました。

そもそもアーク・ベクターは、2020年の販売を目指して開発されていました。95kW≒127馬力のモーターにより、150mph≒241km/hの最高速をマークする超高性能電動車ですが、当時告知されていた販売価格は11万4,000ドル≒1,296万5,900円!!!! というものでした。

www.arcvehicle.com

アーク・ベクター用にヘドン社と共同開発された「アーク・ゼニス」ヘルメット。リアカメラの映像を、HUD(ヘッドアップディスプレイ)に映し出すことで、ライダーの安全性を向上させます。

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EICMA公開後その高額さなどを理由に、アーク・ベクター市販化の実現を疑問視する声も少なくありませんでしたが、アーク・ビークルズはこのプロジェクト実現のためにクラウドファンディングを実施。そして約110万ドルという、巨額な資金を得ることに成功します!

しかし、同社に出資していた投資家たちが引き上げたことにより、資金繰りが悪化したアーク・ビークルズは破産申請に追い込まれることに・・・。この危機を乗り越え、2020年にM.トルーマンはこのプロジェクトを買い戻すことができました。

アーク・ベクターのストリップ状態。カーボンファイバー製のバッテリーモジュールに、前後サスペンションなどの主要な車体構成部品が接続される構造になっていることがわかります。

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来春早々には、特別限定モデルも公開!?

M.トルーマンによると、「生産仕様のアーク・ベクターは最終承認のためスペインに送られ、今後数ヶ月の間にホモロゲーション(認証)を取得する予定です」と語っています。

過去に公開された車両ではチェーン駆動でしたが、公開された最新版ではベルトドライブに改められています。変速機はなく、モーターと後輪は直結される構造です。

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フロントの懸架装置はウィッシュボーン+ハブセンターステアリング。その構造はベクター・ビークルズが特許を取得したもので、カーボンファイバー製のアップライトはコントロールアームの役割を兼ねるフロントフェンダーを支持する・・・というユニークな造りです。

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航続距離436kmで、充電時間は高速充電で40分・・・という、実用的なスペックも魅力的なアーク・ベクターですが、M.トルーマンは来春早々に特別限定モデルを発表する、と述べています。その特別仕様の詳細にも興味がわきますが、まずは・・・2020年発売を守れなかったという"前歴"があるわけですから、早期のスタンダード版市販化実現へ邁進してほしいですね(笑)。