世界最速の電動の乗り物!!
航空機エンジンメーカーの名門、ロールスロイス・ホールディングス(以下ロールスロイス)は、11月19日のプレスリリースで、同社が開発する電動飛行機「スピリット・オブ・イノベーション」が、この分野の世界記録を3つ更新したと主張しています。そのフライトデータはすでに国際航空連盟(FAI)に提出済みで、されており、3つの世界記録は間もなく認証され、正式なものになる・・・とロールスロイスは期待しています。
ロールスロイスは全世界的なカーボンニュートラルの潮流に合わせ、動力の電動化を目指す「アクセルプログラム」を推進していますが、スピリット・オブ・イノベーション開発はその一環であり、電動モーター製造業社のYASA、そしてスタートアップ企業のエレクトロフライトと協力関係を結んでいます。
これまで、Eプレーン分野の速度記録はシーメンス社の「エクストラ330LE」が保持していましたが、その210mph≒337.96km/hを大幅に超える300mphを目標にスピリット・オブ・イノベーションは開発されました。そして11月16日の挑戦で、テストパイロットのスティーブ・ジョーンズが操縦するスピリット・オブ・イノベーションは、飛行距離3kmで345.4mph≒555.9km/hを記録! これは旧記録を213km/h以上上回る、大幅な記録更新でした。
そして飛行距離15kmで331mph≒532.69km/h、3,000メートル上昇まで202秒と、2つの記録更新にも成功。さらにロールスロイスは、最高速度387.4mph≒623.46km/hを計測したと報告しており、このことは飛行機分野のみならず、スピリット・オブ・イノベーションが"世界最速の電動の乗り物"である!! と主張しています。
ウォーレンイースト (ロールスロイスCEO)
「この先駆的なブレークスルーを達成するために協力してくれたパートナー、特にエレクトロフライト社に感謝します。このプログラムのために開発された高度なバッテリーと推進技術は、高度なエアモビリティ市場に刺激的なアプリケーションをもたらしました。 COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)での、"行動の必要性"に世界が焦点を当てた後、この技術は「ジェットゼロ」を実現するのに役立ち、社会が空、陸、海を横断する輸送を、脱炭素化するために必要な技術革新を実現するという、私たちの野心をサポートするもうひとつのマイルストーンです」
この技術は、2&4の絶対地上速度記録挑戦には役立つ・・・かも?
周知のとおり、航空機エンジンメーカーのロールスロイスと、自動車メーカーのロールスロイスは別組織ではありますが、2&4以外の分野でも乗り物の電動化開発が進むことは、バッテリーやモーター、そして制御技術の進化を促進する効果が期待されます。
19世紀末にICEが実用化され、その流れのなかで2&4の原型が誕生。20世紀に入ってからは、ICE搭載の航空機技術がICE開発の花形産業となり、ICE進化のスピードアップに寄与したことは、多くの人によく知られた事実です。
第二次世界大戦後はレシプロICEに代わり、ジェットエンジンが航空機用動力の主流になりました。そして今日、航空機のカーボンニュートラルの取り組みについては、ジェット燃料のケロシンに代わって水素やEフューエルを活用する技術開発が、複数の企業などによりトライされています。
21世紀のバッテリー、電気モーター、そして制御技術の進化を牽引するのは、現状の産業スケールの大きさから判断するに2&4のEV分野であり、電気飛行機の寄与度はそんなには大きくはないでしょう。ただ、2&4の絶対地上速度記録については、ICE時代から航空機産業の空力や高出力動力の技術が盛んに取り入れられていましたから、電動飛行機技術が活用されることも想像できますね。
ともあれ2&4のEV同様に、電動飛行機の技術が今後どのように発展していくか? 乗り物好きとしては注目していきたいです!