本場アメリカのダートトラックレースシーンで、9月最初の週末 = レイバーデイ・ウィークエンドといえば、イリノイ州スプリングフィールドの1マイル競馬場を使って開催される伝統のマイル戦と、その前日に近傍の仮設コースで行われるショートトラック戦が毎年恒例のビッグイベントです。というわけで本日は、ショートトラックの舞台となる "マルチパーパス・アリーナ" に注目し、それがどのような施設なのか、少し掘り下げてみましょう。

そもそも本レース会場の "ステート・フェア・グラウンド" ってなんですか?

WELCOME RACE FANS!! ダートトラックライダー/FEVHOTSレースプロモーターのハヤシです。当地イリノイ州スプリングフィールドはまさに今週末、木曜のアマチュアライダー参加可能な非AFTのローカルショートトラック戦・金曜のAFTシングルス = プロショートトラック戦 (しかもワンデイでWヘッダー2レース)・そして土曜と日曜には立て続けにマイル戦 x2 という、見るにせよ出るにせよ充実感ハンパない、盛り沢山のレースウィークを迎えています。

この一連の伝統的なレースウィークの舞台となるのは、イリノイ・ステート・フェア・グラウンド。州農務当局が所管する広大なイベントスペースで、例年8月2週間にわたって開催される "ステート・フェア" ・・・その源流は19世紀に始まる家畜品評会や農産品展示会・・・には、50万人以上の人々が訪れるといいます。敷地内には1マイル競馬場・1/2マイル競馬場・大小様々な展示空間・移動遊園地・150棟近くの建物・キャンプグラウンドに加え、様々なアウトドアアクティビティに対応可能な "マルチパーパス・アリーナ" などが点在しています。

"マルチパーパス = 多目的" の解釈の幅が違い過ぎやしませんか・・・?

フェアグラウンド内では比較的新しい施設であるこのマルチパーパス・アリーナの面積は261,000平方フィート = 約24,000平米。屋根付き常設スタンド席と仮設スタンド席合わせて観客10,000人収容可能。ステート・フェアのHPには総工費1,000万円!と自慢げに書いてありましたが高いんだか安いんだかよくわかりません・・が、日本で同じ施設を作ろうと思ったらおそらく倍では効かないはず。こちら施設レンタル料金が1,400ドル / 1日とのこと。これははっきり言ってチョーお安いですよね?

さてそんなマルチパーパス・アリーナ、1年にわずか数日間の2輪ダートトラックレーシング以外では、どんなカテゴリーのイベントで使われているかというと・・・?

全米高校生ロデオ選手権・決勝大会の会場だったり・・・

デモリション・ダービー (手塩にかけた?ボロ車同士をぶつけあって最後まで動いてたクルマが勝ち) の闘技場だったり・・・

パワープル・ドラッグレース?1,000馬力超までチューニングしたピックアップトラックや農業用トラクターでやたら重たい台車を引っ張り回す "世界でもっともパワフルな陸上モータースポーツ" ?

モンスタートラック・ショーとか・・・

ミジェットカーレースとか・・・

どれもこれも日本ではそう簡単にはお目にかかれないコンテンツばっかりですが、ほぼ隔週くらいでこのような様々なイベントが開かれているようです。こうして見ると2輪ダートトラックって (わりと) メジャースポーツなのかもですよね・・・。

ダートトラックレーシング単体で、まして常設のレーストラックを新たに確保することは、日本だけでなくアメリカでもそう簡単なことではなさそうですが、このような仮設の場を限られた期間に集中運用する、というのはひとつのアイディアとして心に留めておいても良さそうです。

本日取り上げたスプリングフィールドショートトラック、レーストラックの土質、サイズ感、接近しての鬩ぎあいの様子など、リサーチするにはうってつけのテーマだとも思いますよ。動画サイトでは一流ライダーのオンボード映像や、過去の名勝負の数々も容易に見つけることができるでしょう。

Springfield Flat Track 2015 Main

youtu.be

Springfield Short Track Expert Main 2012

youtu.be

ではまた金曜日の "Flat Track Friday!!" でお目にかかりましょう!