近年、キッズモトクロスの世界では電動モトクロッサーの普及が進んでいますが、世界のモータースポーツを統括するFIM(国際モーターサイリズム連盟)は、それら電動モトクロスバイクを用いた新しい選手権の創設を先日公表しました! そしてそのスタートは・・・早くも今年の9月からになります!

初年度の2021年は、全5戦を開催予定!

長年キッズ用モトクロッサーといえば50〜100ccくらいのICE(内燃機関)車が主流でしたが、近年は電動モデルへの注目が急速に高まっています。音が静か、ガソリンを使わないのでトランスポーターへの横倒し積載OK、メンテナンスや洗車が簡単・・・などがキッズ用電動モトクロッサーのメリットですが、将来電動モトクロッサーが普及したときに、EVならではの特性や扱いを子供のうちから経験・理解していた方がレースで有利・・・と先読みしているお父さんも少なくないようです。

ともあれ、キッズ用電動モトクロッサーへの急速な注目の高まりを受け、FIMはFIMモトクロス世界選手権、FIMモトクロス世界選手権、FIM女子モトクロス世界選手権、FIMベテランモトクロスワールドカップ、FIMジュニアモトクロスのマーケティング/プロモーションを担当するインフロント・モト・レーシング社(旧ユースストリーム社)と組んで、「FIM欧州ジュニアeモトクロス選手権」を開催することを7月上旬に公表しました。

FIM欧州ジュニアeモトクロス選手権初年度の2021年は、最大40名のエントリーを受け付けるとのことです。

www.junioremotocross.com

その開幕戦は9月26日・・・今年のモトクロス・オブ・ネイションズが開催されるイタリア・マントヴァが舞台となります。その後ドイツ、フランス、スペイン、ポルトガルへ会場を移して10月中に4戦が開催され、全5戦(各レース2ヒート制)でチャンピオンシップが競われることになります。

参加資格は2021年1月1日時点で6〜8歳で、各国のフェデレーションの発行する競技ライセンスを取得し、「コンチネンタル・チャンピオンシップ・プロモ・スポーツ・ライセンス」を取得する必要があります。最低3レースへの参加が必要ですが、なお2021年度についてはエントリーフィーは無料!! とのことです。

電動時代のエースライダーの青田刈り・・・というのは深読みしすぎですかね?

この新シリーズ創設にあたり、プロモーターのインフロント・モト・レーシングとの新たなパートナーシップを2年間結んだのは、企業グループ全体でキッズ用電動モトクロッサーの普及に力を入れているKTMです。

KTMがキッズ用電動モトクロッサーのSX-E 5を発表したのは2018年のEICMAですが、現在進行形でAMAスーパークロス選手権のKTMジュニア・スーパークロス・エキシビジョン・レースや、米国のジュニア選手権のMini-Eカテゴリーで使用されるなど、キッズ用「競技車両」としての実績を積み上げています。

KTMのキッズ用電動モトクロッサー、SX-E 5。2021年モデルの日本での小売価格は674,000円(税込)でした。

www.ktm.com

またバッジエンジニアリングにより、傘下のハスクバーナやガスガスの両ブランドから「EE 5」と「MC-5 E」というモデルも販売されており、KTMグループはこの分野のリーディングカンパニーの座に現時点では就いているといえます。

KTM、ハスクバーナ、ガスガスの3ブランドのキッズ用電動モトクロッサーで「FIM欧州ジュニアeモトクロス選手権」に参戦するライダーは、それぞれブランドのロゴ入りのキャップ、ボトル、Tシャツ、傘、ピットボードからなる特別なエントリーパッケージが提供されます。

ハスクバーナEE 5は、シュラウドの形状がちょっとだけKTM版とは違います。

www.husqvarna-motorcycles.com

そして映えあるタイトル獲得者は、それぞれのブランドのファクトリーチーム所属ライダーたちとのトレーニングを受けることができる!! という特典をプレゼントすることを公表しています。オフロードバイクの分野で、そして電動バイクの分野でも業界の盟主になることを考えているKTMグループとしては、この新選手権をとおして幼いキッズライダーたちのハートを、将来のためにガッチリつかんでおきたい・・・という野心を感じ取ることができます。

そんな大人たちの思惑・・・はさておき、各国のキッズライダーたちによる電動モトクロッサーによる戦いは、どんなレース内容になるのか? 開幕戦が楽しみではあります。今年の秋の訪れを、期待しながら待ちましょう!