現地時間4月18日、MotoGPの欧州ラウンド開幕となるポルトガルGP決勝がポルティマオで開催されました。MotoGPクラスは約9ヶ月ぶりの実戦となったホンダのエース、M.マルケスの走りに多くのファンの視線が集まりました。

F.バニャイア(ドゥカティ)、幻となったポールポジションタイム

16日(金)のレースウィーク初日、フリープラクティス(FP1、FP2)ではドゥカティワークスのフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)が総合首位タイムを記録。2番手に前戦ドーハGPの勝者のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)。3、4番手はスズキコンビのジョアン・ミルとアレックス・リンス。5番手にF.バニャイアのチームメイトのジャック・ミラー(ドゥカティ)。そして注目のM.マルケスは、6番手でホンダ勢最上位となりました。

17日(土)の予選結果は、F.クアルタラロが1分38秒862のコースレコードでポールポジションを獲得! 実は予選終盤、F.バニャイアはクアルタラロを上回る1分38秒494という驚異的タイムをマークしたのですが、黄旗提示中ということでこのタイムはキャンセルされてしまい、残念ながら予選11番手、4列目スタートになってしまいました。

金曜日、土曜日と好調ぶりを披露したF.バニャイア(ドゥカティ)。

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予選2位以降は、A.リンス(スズキ)、2戦を終えてランキング首位のヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、J.ミラー(ドゥカティ)、フランコ・モルビデリ(ヤマハ)、M.マルケス(ホンダ)となりトップ6を形成。開幕戦カタールGP勝者のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は、予選終盤に1分38秒台を2回記録しフロントローを獲得・・・と思われましたが、黄旗とコースリミット越えでこれらタイムはキャンセルされ、バニャイア同様後方の4列目(12番手)から決勝にのぞむこととなりました。

ポールポジション発進のF.クアルタラロ(ヤマハ)が2連勝達成!

中東2連戦後、欧州に舞台が変わって勢力地図に変化がおとずれるか・・・にも注目が集まりましたが、欧州初戦のポルトガルGPもヤマハ、ドゥカティ、スズキのワークス勢が表彰台争いを展開することになりました。

見事F.クアルタラロ(ヤマハ)は、ポール・トゥ・フィニッシュでドーハGPに続いて勝利! 1周目を終えて5位まで後退するも、8周以降は首位をキープ。2番手のA.リンス(スズキ)との首位争いが続きましたが、リンスの転倒により独走体制を構築。25周のレースをクアルタラロが制したことで、ヤマハワークスは開幕3連勝を記録しました。

A.リンス(スズキ、42番)とのバトルは、リンスの転倒という結末に・・・。2020年度は成績の不安定さからタイトルを逃したF.クアルタラロ(ヤマハ)ですが、今シーズンは精神的な成長見せてここポルトガルでも磐石の勝利を記録。ランキング首位に浮上しました。

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2位は後方から着実にポジションを上げていったF.バニャイア(ドゥカティ)が入賞。3位は上位をキープし続けた前年度王者のJ.ミル(スズキ)。4位に入ったのは、中東2連戦18位、12位と振るわなかったヤマハサテライトのF.モルビデリ。昨年度3勝をあげランキング2位となったモルビデリにとっては、嬉しい今シーズン初のトップ10以内のフィニッシュとなりました。

5位は15番グリッドから追い上げたKTMのブラッド・ビンダー。6位はアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)。そして7位には、まず完走が目標と語っていた復帰戦のM.マルケス(ホンダ)。彼の成績は、ポルトガルGPでのホンダ勢の最上位でした。

右腕の疲労との戦いの末、完走を果たしたM.マルケス

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マルク・マルケス
今週末はいろいろな感情がありました。ピットに戻ったとき、痛みだけではなく、言葉では言い表せないけれど、どうしても抑えられない感情が爆発しました。みんなのサポートを本当に感じました。そして、家族と友人のサポートは特別でした。再びMotoGPライダーになることができたと感じられたことはとても重要なことです。すばらしい気分です。今日のレースは楽しめませんでした。かなり苦戦しましたが、これは回復の重要なステップです。一番の目標だったレース完走を達成できました。ポジションは関係ありませんが、トップと13秒差というのは不可能な夢でした。レース中盤で単独走行しているときのフィーリングがベストだったと思います。レースのスタートは久しぶりの感覚だったのでショックを受けました。終盤はとにかくフィニッシュすることだけを考えていました。次はヘレスへ向けてがんばります

長いブランクの影響による右腕の疲労で、苦戦となった復帰戦を走り切ったM.マルケス(ホンダ)。本調子を取り戻し、優勝争いに顔を出すようになるのは今シーズンのいつごろからになるのでしょうか?

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M.マルケスはオープニングラップでは4位に浮上しますが、その後9番手まで後退。右腕上腕骨折からの回復は完璧ではないようで、決勝前のウォームアップはわずか4周にとどめ体力温存につとめていました。レース終了後はピット奥の椅子に座り、復帰できた喜びや本来の走りができない悔しさなど、押し寄せるさまざまな感情を味わっている様子が印象的でした。

そのほかホンダ勢は、ポル・エスパルガロはメカニカルトラブルからかわずか4周を終えてリタイア。M.マルケスの弟のアレックス・マルケスが8位。16日(金)に激しく転倒し、予選をキャンセルして最後尾から決勝を走った中上貴晶は右鎖骨の付け根を痛みをこらえて10位で完走しました。

なおF.クアルタラロ、F.バニャイア、J.ミル・・・表彰台の3人のチームメイトですが、M.ビニャーレス(ヤマハ)はペースが上がらず11位に沈み、J.ミラー(ドゥカティ)は6周目に転倒リタイア、そしてA.リンス(スズキ)は前述のとおり、2位走行中に転倒リタリアと、チームメイト間で明暗が分かれる結果になっています。

開幕から2戦終えてランキング首位だったJ.ザルコが転倒リタイアとなったため、ランキング争いは首位F.クアルタラロ、2位F.バニャイア、3位M.ビニャーレスの順となっています。次戦、5月2日決勝のスペインGPの舞台ヘレスでは、どのようなドラマが展開されるのか? 楽しみです!

MotoGP2021 第3戦ポルトガル決勝
1 F.クアルタラロ Monster Energy Yamaha MotoGP Yamaha 41'46.412
2 F.バニャイア Ducati Lenovo Team Ducati 4.809
3 J.ミル Team SUZUKI ECSTAR Suzuki 4.948
4 F.モルビデリ Petronas Yamaha SRT Yamaha 5.127
5 B.ビンダー Red Bull KTM Factory Racing KTM 6.668
6 A.エスパルガロ Aprilia Racing Team Gresini Aprilia 8.885
7 M.マルケス Repsol Honda Team Honda 13.208
8 A.マルケス LCR Honda CASTROL Honda 17.992
9 E.バスティアニーニ Esponsorama Racing Ducati 22.369
10 中上貴晶 LCR Honda IDEMITSU Honda 23.676

MotoGP2021 ポイントランキング ※4月18日現在
1 F.クアルタラロ Yamaha 61
2 F.バニャイア Ducati 46
3 M.ビニャーレス Yamaha 41
4 J.ザルコ Ducati 40
5 J.ミル Suzuki 38
6 A.エスパルガロ Aprilia 25