現地時間3月28日決勝のMotoGP開幕戦、カタールGPのMotoGPクラスはタイヤの消耗をいかにうまくマネジメントするか・・・が明暗を分けることとなりました。

ホールショットデバイスが効果を発揮し、ドゥカティ勢が好スタート!!

気温20度、路面温度21度のドライコンディションで行われたMotoGPクラスの決勝。注目の今シーズン初の決勝スタートでは、ドゥカティ勢はデスモセディチGP21に採用している、効率良く発進するための装置・・・ホールショットデバイスがその威力を発揮しました。

スタート直後、トップ4を形成したのはポールポジションスタートのフランチェスコ・バニャイア。続いてジャック・ミラー、ヨハン・ザルコ、そしてホルヘ・マルティンと4台のドゥカティ! J.マルティンは14番グリッドからのスタートですから、見事なジャンプアップぶりでした。

その後、J.ザルコはJ.ミラーをパス。バニャイア、ザルコ、ミラー、マルティンのドゥカティ勢4台を、3台のヤマハ・・・ファビオ・クアルタラロ、マーベリック・ビニャーレス、バレンティーノ・ロッシが追う展開で最初の1周目を消化しました。

1周目、首位のF.バニャイア(ドゥカティ)を追う集団。先頭からJ.ザルコ、J.ミラー、J.マルティンの3台のドゥカティ。

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序盤戦は、先行する4台のドゥカティをヤマハワークスの両名・・・クアルタラロとビニャーレスが挑むという展開になりました。まず両名はJ.マルティンをパスして、3周目終わりでクアルタラロ4位、ビニャーレス5位に浮上。6周を消化した時点ではJ.ミラーをパスしたクアルタラロが3位となりました。

6〜7周目は、F.クアルタラロ(ヤマハ)、M.ビニャーレス(ヤマハ)、J.ミラー(ドゥカティ)、A.リンス(スズキ)が3〜6位で争う展開になりました。

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M.ビニャーレス、2017年以来のカタールGP勝利!

22周の決勝の半分を消化した中盤戦以降は、各ライダーがタイヤの消耗に苦労する展開となります。まずF.クアルタラロとJ.ミラーが、リアタイヤの消耗により上位争いから後退。A.リンスも14〜17周は5位までポジションを上げますが、タイヤのグリップ不足に陥りそれ以上順位を上げることはできませんでした。

昨年度王者のJ.ミル(36番、スズキ)は、巧みなレースマネジメントで着実に周回を重ねる毎にポジションを上げていきました。

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一方、タイヤを上手く保たせたビニャーレスは、15周目から首位をキープ。また昨年度王者のJ.ミルも、タイヤを労りつつ着実にポジションアップに成功。10番手スタートながら、最終盤には3位表彰台圏内に入るまで順位を上げています。そして先頭に立ってからビニャーレスはリードを守り切り、2017年以来2回目となるカタールGP・MotoGPクラス優勝を達成しました!

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一方ミルはラストラップに2位に上がりながらも最終コーナーでアウトにふくらみ、その隙をついたドゥカティ勢のザルコとバニャイアにストレートでパスされて4位まで後退。サテライトのザルコが2位、そしてワークスのバニャイアが3位表彰台を獲得しました。

見事、今シーズン開幕戦で優勝したM.ビニャーレス(ヤマハ)。

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4位のJ.ミルに続いて5位に入ったのはF.クアルタラロ。ヤマハワークスがトップ5に入る一方、サテライトのV.ロッシはタイヤの消耗で12位に後退。また昨年度の活躍ぶりから今シーズンに期待がかかるフランコ・モルビデリは、なんとスターティンググリッド上でマシントラブルが発覚! 18位でなんとか完走するという結果に終わり、ヤマハ勢はワークスとサテライトでクッキリ明暗が分かれた開幕戦となってしまいました。

6位はA.リンス。7位はアプリリアのアレイシ・エスパルガロ、続いて弟のポル・エスパルガロが、8位でホンダ移籍後初のレースを終えています。9位はタイヤ消耗で苦しんだJ.ミラー。そしてドゥカティ・サテライトのルーキー、エネア・ バスティアニーニがトップ10最後の位置に食い込んでいます。

ホンダRC213Vでの初レースを、ホンダ勢最上位の8位でフィニッシュしたP.エスパルガロ。

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次戦ドーハGPは、カタールGPと同じくロサイルのコースで4月2〜4日に開催されます。今回カタールGP決勝で得たデータを、いかに活用して戦うかが勝負の鍵になるでしょう。来週末も、面白いレース展開になることを期待したいですね。