現状、2位に37点差でランキング首位と、圧倒的優位なミルですが・・・
COVID-19の世界的パンデミック、絶対王者マルク・マルケス(ホンダ)の長期欠場、そして現在まで9人のウィナーが誕生・・・などなど波乱に満ちた今シーズンのMotoGPクラスですが、11月15日決勝のバレンシア、そして11月22日決勝のポルトガルと、2つのGPを残す最終局面に突入しています。
現在、ランキング首位のJ.ミル(スズキ)は162点を獲得。2位のファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)と3位アレックス・リンス(スズキ)はともに125点。4位のマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)は121点。5位のフランコ・モルビデリ(ヤマハ)と6位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)はともに117点・・・という状況です。なお同点で並んだライダーで上位に立つのは、優勝数の多い方となっています。
バレンシアGPでのミルのタイトル獲得条件を整理してみましょう
現行のMotoGPの得点システムは、優勝25点、2位20点、3位16点、4位13点、5位11点、6位10点、そして7位9点から15位1点までは、順位ごとに1点刻みで減ることになります。仮に最終戦ポルトガルGPでミルがノーポイント & ライバルたちが優勝(+25点)でも、追いつけない点差をバレンシアGPで築けばミルのタイトルが決まることになります(最終戦ポルトガルGPで得点が並ばれた場合は、勝利数が多い方がチャンピオンになります)。
ミルが表彰台獲得(+16点以上)、または4〜6位入賞(+13〜10点)の場合
クアルタラロとリンスが優勝できなければ、ミルのタイトル確定。もしミルが7位(+9点)の場合は、クアルタラロ、リンス、ビニャーレスが優勝できなければミルがタイトル確定。
ミルが8〜9位(+8〜7点)の場合
ビニャーレスが優勝せず、クアルタラロとリンスが3位以上でゴールしなければミルのタイトル確定。
ミルが11位(+5点)の場合
ビニャーレス、モルビデリ、ドヴィツィオーゾが優勝できず、クアルタラロとリンスが3位以上にならなければミルのタイトル確定。
ミルが12〜14位(+4〜2)の場合
モルビデリとドヴィツィオーゾが優勝できず、クアルタラロとリンスが表彰台を逃し、ビニャーレスが3位以内に入らなければミルのタイトル確定。
ミルが15位(+1点)の場合
モルビデリとドヴィツィオーゾが優勝できず、クアルタラロとリンスが5位以上に入れず、ビニャーレスが3位以内に入らなければミルのタイトル確定。
ミルがノーポイントの場合
モルビデリとドヴィツィオーゾが3位以上にならず、ビニャーレスが3位以上、そしてクアルタラロとリンスが5位以上にならなければミルのタイトル確定。
バレンシアGPでタイトルが決まるか!? 注目しましょう!
レースは何が起こるかわからないものですが、上記の条件を見る限りではミルが残り2戦でかなり優位に立っていることがわかります。ただ、プレッシャーから早く解放されたいと思うのが人の常ですから、ミルとしてはバレンシアでタイトルを決めてしまいたいと考えているのではないでしょうか?
11月14日(土)の予選では、今シーズン2勝のモルビデリがキャリア2度目となるポールポジションを獲得! 2番手はジャック・ミラー(ドゥカティ )、3番手が終盤戦に速さを見せてきた中上貴晶(ホンダ)、4番手以下はヨハン・ザルコ(ドゥカティ)、ポル・エスパルガロ(KTM)、そしてビニャーレスが続きました。
そのほかのタイトル争いの演者たちはトップ6入りを逃し、クアルタラロが11番手、ミルが12番手、リンスが14番手、ドヴィツィオーゾが17番手・・・予選不調でも決勝では好ペースで順位を上げる傾向にある今年のスズキ勢ですが、決勝でどこまで順位を上げることをミル自身が狙うのか、がひとつの決勝の焦点になるでしょう。残り2戦、どのようなドラマを見ることができるのか? 楽しみにしましょう!