1999年にデビューしたミドル・クラスVツインのSV650は、海外市場を中心に長年人気を博してきました。しかし初代モデル誕生から20年余を過ぎたこともあり、ライバルに対抗すべく新たに並列2気筒の後継機種が登場することになるかも・・・しれません?

ターボ採用のリカージョン用=XE7の自然吸気版エンジン?

アメリカを代表するメディア、CYCLE WORLDの報道によると、スズキが開発中の並列2気筒700ccモーターサイクルのパテントを去る8月に申請したとのことです。また同誌は、このモデルが現行のスズキのミドルクラススポーツのSV650、そしてアドベンチャーモデルのVストローム系の後継になるのではないか? と推察しています。

スズキSV650 ABSの2020年型。価格752,400円(税込)。SV650系は1999年にデビューし、2003年にモデルチェンジ版が登場。そして2017年に第3世代モデルが登場し、海外市場を中心に人気を集めています。

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スズキVストローム650XT ABSの2020年型。968,000円(税込)。SV650系をベースにしたミドルクラスのアドベンチャーモデルとして2004年にデビュー。2012年に第2世代へモデルチェンジ。日本市場には2013年から導入されることになっています。

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並列2気筒DOHC700cc・・・カンの良い方はすぐにピンと来たかもしれませんが、このパテント申請の図に描かれているエンジンは、スズキが長年開発していたターボチャージャー採用の試作車、「リカージョン」のスピンオフ的なものと思われます。

より現実的な商品開発・・・としての自然吸気仕様!?

4輪の世界でダウンサイジングターボ・・・小排気量エンジンに過給器のターボをつけて、高出力と低燃費を両立させることが注目されていた2010年代。スズキはその2輪版といえるターボ付き588ccのリカージョンを、東京モーターショー出展車として2013年に公開しました。

まず2013年の東京モーターショーで公開され、注目を集めたターボチャージャー付きエンジンを搭載するリカージョン。「初代」は2気筒OHC588ccエンジンを搭載していましたが、2015年東京モーターショーでは2気筒DOHC700cc=XE7というエンジンのみが展示され、将来の市販化を多くのファンに期待させましたが・・・。

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そして2015年の東京モーターショーでも、スズキはちょっと排気量を上げた700cc版リカージョンエンジン=XE7を公開。同じ気筒数で同じ弁方式・・・そして同じ排気量ということから、このパテントで描かれるエンジンはXE7の自然吸気仕様ではないかと想像できます。

パテント申請された、スズキの2気筒700ccの図版。スイングアームピボット/リアエンジンハンガー、そしてパイプのメインフレーム/シートレールというダイヤモンド型フレームの構成は、コストを意識したミドルクラスのスポーツバイクとして、すぐに商品化ができそうな作りと思えます。

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既存のSV650系/Vストローム650系はともに、バランスの良いスポーツ/アドベンチャーモデルとして海外市場を中心に人気です。ただ、環境規制の「ユーロ5」のさらにその先の対応を考えた場合、20年以上前の基本設計のVツインエンジンを引っ張るよりも、新たなエンジンを採用するという選択をするのは、理にかなっているといえるでしょう。

また、スズキは2021年も改良を加えたSV650系を販売するとのことですが、多くのライバルメーカーたちがミドルクラスにVツインよりも製造コスト・車体レイアウトの自由度に勝る並列2気筒を採用する今、スズキがVツインをミドルクラスで墨守する必然性が薄れているのも事実でしょう。

夢のバイク・・・としてのターボ装着のリカージョンが市販化される気配は今のところありませんが、現実的なバイク・・・このパテント申請の図にある自然吸気版並列2気筒DOHC700ccは、市販車として私たちの目の前に登場する日が遠くないかもしれません? もっとも欲張りな私たちモーターサイクルファンとしては、ターボ装着版も自然吸気版も、どっちも見てみたいし、乗ってみたいですね(笑)。